SWの守護神・ルーカスフィルム社長キャスリーン・ケネディが語る、最新作とこれから

ルーカスフィルム社長兼スター・ウォーズのプロデューサー、キャスリーン・ケネディDavid James..©Lucasfilm 2015

ルーカスフィルム社のキャスリーン・ケネディが、最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』や、シリーズを進化させる上での課題、ジョージ・ルーカスからの批評、そしてこれからのシリーズ展開について、ローリングストーン誌にたっぷりと語ってくれた。

ルーカスフィルム社のキャスリーン・ケネディ社長は、ハリウッド随一の女性実力者といっていいだろう。超大作とは決して無縁ではなく、1982年の『E.T.』以来ずっとスティーヴン・スピルバーグ監督作品のプロデューサーを務めている。この関係はスピルバーグがジョージ・ルーカスと組んだ『インディ・ジョーンズ』シリーズにまで及び、2012年にルーカスがディズニーと売却交渉を行った際には、ルーカス本人から後継者に抜擢された。以来ケネディ氏はスター・ウォーズの世界の守護神として、これまでの経験を総動員し、商業的にはいまひとつだった2018年の『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でもそうだったように、たとえ製作途中でも、必要とあらばクリエイティヴチームの総入れ替えも厭わなかった。今年10月、『ゲーム・オブ・スローンズ』のデイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスがスター・ウォーズの新三部作を制作するという一年越しの契約から離脱した2週間前、ケネディ氏はローリングストーン誌との電話取材に応じ、12月20日全世界公開予定のエピソード9『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』について語ってくれた。『最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン監督とマーベルシリーズのケヴィン・ファイギ監督が後任に名乗りを上げているが、今作以降シリーズがスクリーン上でどう展開するかはまだ白紙の状態だ。

ー『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレヴォロウ監督が監督・脚本の候補に挙がっていましたが、結局はJ・J・エイブラムスを呼び戻す形になりましたね。三部作最終章の監督選びはとりわけ難題だったのではありませんか?

このシリーズでは毎回頭を悩まされますね。原作がないんですから。コミックものではないですし、800ページにおよぶ小説もありません。我々と一緒になって、次の方向性を考えてくれる熱心なストーリーテラーしか頼りになるものがないのです。製作プロセスは他の映画の場合と同じですよ。まずは、求められる感性を備えていると思う監督に話を持ちかけるところから始めます。大事なのは、候補をかなり絞り込むこと――この手の作品に合った感性と、これだけの大仕事をこなせる経験と能力の持ち主だけ。ですから、候補者選びはできるだけ慎重に行うようにしています。それに通常の映画製作の行程に慣れている人だと、「ああ、しまった、こいつは想像以上に大変だ」とハタと気づく、なんてことも時々ありますからね。これは映画製作の常識ですが、自分の選択や決断が必ずしも最初から思い通りに進むということはありません。大勢の人々とたくさんの意見を交えながら、徐々に進化していくものなんです。そうやって、最終的な作品にしあげていく。私の場合は幸運でしたね、一緒に仕事をしてきた人たちはみな最後までとことんやりぬく素晴らしい人たちでしたから。J・Jもその一人です。彼はスター・ウォーズの大ファンで、顔を突き合わせて話をしたときからずっと情熱を注いでくれました。そしてプロジェクトに関われば関わるほど、どんどん夢中になって言ったんです。もし今日彼に頼めば、もしかしたら、また三部作をやってもいいと考えてくれるかもしれませんね――でも先ほども言ったように、これは壮大なプロジェクトですから。3~4年は余裕を見ないと無理でしょうね。物理的に不可能です。

Translated by Akiko Kato

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