ファンクとは異なる、句読点のないアフロ・ビートの躍動感? 鳥居真道が徹底解剖

5つの打点からなる3-2クラーベの5つめの音は拍子でいうところの4拍目あたります。そこで一旦緊張が解かれるような感覚がありますが、アフロ・ビートにおいては4拍目で着地せずに勢いを保った1拍目へとなだれ込んでいきます。時間割に例えるのなら10分休憩(地元愛知では「放課」と呼ばれていました)を取らずにぶっ続けで授業が行われるようなものです。そこがずばりしりとり的だと言いたい。

またクラーベを細分化することでリズムを細かく震わせて、より陶酔的な感覚をもたらしているようにも感じます。ボ・ディドリー・ビートがミッフィーちゃんだとしたら、アフロ・ビートはピーター・ラビットと例えることができるかもしれません。つまり同じウサギを描くとしてもピーター・ラビットのほうが線が多い、あるいは描き込みが細かいということです。

「名人の演奏はホットで人間的な面とクールで機械的な面が同居しており、一概にどちらとは割り切ることができない」と書きましたが、これはアフロ・ビートにも当てはまることで、ホットかつクールという割り切れなさが魅力だと感じております。



鳥居真道



1987年生まれ。「トリプルファイヤー」のギタリストで、バンドの多くの楽曲で作曲を手がける。バンドでの活動に加え、他アーティストのレコーディングやライブへの参加および楽曲提供、リミックス、選曲/DJ、音楽メディアへの寄稿、トークイベントへの出演も。Twitter : @mushitoka / @TRIPLE_FIRE

◾️バックナンバー

Vol.1「クルアンビンは米が美味しい定食屋!? トリプルファイヤー鳥居真道が語り尽くすリズムの妙」
Vol.2「高速道路のジャンクションのような構造、鳥居真道がファンクの金字塔を解き明かす」
Vol.3「細野晴臣「CHOO-CHOOガタゴト」はおっちゃんのリズム前哨戦? 鳥居真道が徹底分析」
Vol.4「ファンクはプレーヤー間のスリリングなやり取り? ヴルフペックを鳥居真道が解き明かす」
Vol.5「Jingo「Fever」のキモ気持ち良いリズムの仕組みを、鳥居真道が徹底解剖」

<ライブ情報>


トリプルファイヤー
「アルティメットパーティー7-1」
2019年11月22日(金)渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:トリプルファイヤー(ワンマン)
時間:開場18:30/開演19:30

「アルティメットパーティー7-2」
2019年11月29日(金)渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:トリプルファイヤー(ワンマン)
時間:開場18:30/開演19:30

前売(1日券)3500円(ドリンク代別)
チケット:7月21日(日)10:00より発売
ぴあ(Pコード:159-985)
ローチケ(Lコード:73830)
e+:https://eplus.jp/triplefire/
O-nest店頭

トリプルファイヤー公式tumblr
http://triplefirefirefire.tumblr.com

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE