「助けて」を言えない社会の方に問題はないか? 他人に助けを求める「援助希求行動」

音楽学校の講師でもあり、産業カウンセラーの資格も持つ手島将彦の連載第2回(Photo by Pixabay)

今年9月に書籍『なぜアーティストは壊れやすいのか?』を出版した、音楽学校教師で産業カウンセラーの手島将彦。同書では、自身でもアーティスト活動・マネージメント経験のある彼が、ミュージシャンたちのエピソードをもとに、カウンセリングやメンタルヘルスに関しての基本を語り、アーティストや周りのスタッフが活動しやすい環境を作るためのヒントを記している。そんな手島が、日本に限らず世界の音楽業界を中心にメンタルヘルスや世の中への捉え方を一考する連載「世界の方が狂っている 〜アーティストを通して考える社会とメンタルヘルス〜」をスタート。第2回は、他人へ助けを求める「援助希求行動」について、社会自体を「助けてと言える社会」にしていくべきなのだという視点から語る。

 今最も注目されているアーティストの1人、ビリー・アイリッシュは、メンタルヘルスで悩む人々をサポートする団体の公共広告で、自らのうつ病体験や経験を語り、「助けが必要だからといって、あなたは弱いわけじゃない」と、助けを求めること、助けることの大切さを主張しました。また、彼女のデビュー・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go』に収録された楽曲の多くでは、自らのうつや自己嫌悪について歌われています。特に「listen before i go」という曲では、そのYouTube動画のコメント欄には自殺予防ホットラインの番号の書き込みがあり、1万を超える高評価が寄せられています。



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