BAD HOP、米LAで制作したEPを発表「ずっと探していた入り口のドアがやっと見えた」

大御所的存在から新鋭まで、名だたるプロデューサーが参加



エキゾチックな魅力を感じさせる「Ichimanyen」のプロデュースを担当したのは、もはや大御所の貫禄すら漂わせるマイク・ウィル・メイド・イット。BAD HOPのメンバーが待つスタジオに登場するや否や、未発表の自分のビートを聴かせその場でメンバーたちにフリースタイルを要求したマイク。その姿には、BAD HOPの可能性を本気で探っている様子が伺えた。マイクと言えばビヨンセ「Formation」やケンドリック・ラマー「HUMBLE.」、「DNA.」など、その時代を反映したヒット・チューンの多さでも知られる。加えて、今やワールドワイドな人気を誇る兄弟ラップ・デュオ、レイ・シュリマーを世に送り出したのも彼だ。ヒット曲とは何かを知り抜いたマイクのビートを乗りこなすBAD HOPのメンバーそれぞれのフロウにも注目していただきたい。


Courtesy of BAD HOP


Courtesy of BAD HOP



続いて、疾走感溢れる扇情的な「Poppin」は、昨今の西海岸ヒップホップのサウンド・イメージを塗り替えてきたDJマスタードがビートを提供した楽曲。彼が今年発表したアルバム『Perfect Ten』にも共通するヴァイブスを感じさせるトラックだ。これまでにYGやタイガ、タイ・ダラー・サインといったロサンゼルスを代表するアーティストのプロデュースを手がけ、常にビルボード・チャートにその楽曲を送り込んできたマスタード。昨今では「Boo’d Up」で一躍大スターとなったR&Bシンガーのエラ・メイを発掘し、トータル・プロデュースを手がけたことも記憶に新しい。





「Dead Coaster」、そして「Foreign」を手がけているのは、ウィージーとターボの二人。「Dead Coaster」はウィージー単体によるビートだが、二人ともアトランタを拠点とし、ヤング・サグやリル・ベイビー、ガンナといったアトランタ産の最先端トラップ・サウンドを共同でプロデュースする機会も多いビートメイカーだ。2018年、ウィージーはリル・ベイビー「Yes Indeed」がトップ10ヒットに輝き、ターボはトラヴィス・スコットの最新アルバム『ASTROWORLD』に収録された「YOSEMITE」のプロデュースを担当するなど、着実に、そしてスピーディーにそのキャリアを更新している新鋭プロデューサーだ。また、言い換えれば、まさにBAD HOPのメンバーたちが普段心酔しているサウンドこそがターボ&ウィージーのビートであり、この二組のビートの上でラップするということは、そのままBAD HOPがロールモデルとしているUSの最前線を牽引する若手ラッパーらと肩を並べるということでもある。

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