掟ポルシェがスタークローラーを愛する理由「人間離れした感じがビンビンに出ている」

スタークローラーの「イビツな感じ」

—「イビツな感じ」といえば、掟さんのニューウェーブに対する興味もそうですよね。20年近く前の話になりますが、『DJロマンポルシェ。のNEW WAVE愚連隊』に収録されていたのも変わった曲ばかりでした。

掟:A級がなぜ悪いって値段が高いんですよ。俺は中古レコード屋に行っても、壁に飾られてるレコードは買わないです。安いレコードでもいいのがあって、ジグ・ジグ・スパトニックとか大好きなんですけど、大体は100円レコードのコーナーに入っていますからね。ああいうケレン味だけは山程あるものに異常に惹かれまして。



—スタークローラーもケレン味たっぷりですよね。

掟:初期のスタークローラーは今よりダークで、ポピュラリティがそこまでない感じ。ロサンゼルスの薄暗いライブハウスのなかで、身長188cmの女の子が血へどを吐きながらギャアギャア言ってるんですよ。「わあ、すっげぇアンダーグラウンド」と思って(笑)。ただ、彼らがバンドを始めた頃は(メンバーの平均年齢が)15、6とかですよ。10代がやっているだけあって、よく見るとやっぱり可愛いんですよ。アイドルみたいだなと思って。

—顔つきも幼いですしね。

掟:だからこそ、ラフ・トレードというニューウェイブにとっては老舗だけど、今となってはビッグなレーベルが目をつけてスターに育てたくなる気持ちもよくわかる。アロウには生まれつきロックスターのイビツな感じと、アイドル的で愛される素質が同居しているんですよ。そういう素質を持っている10代の女の子が、オジー・オズボーンのライブを観て急にロックに目覚めると。自宅にウィッチクラフトっていう、黒魔術の儀式に使う粉とか道具まで買いそろえたりして。

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—アロウにお会いしたこともあるんですよね?

掟:そうですね。2018年の3月に『別冊少年チャンピオン』の連載でインタビューをやらせていただいて。アロウは1999年の4月24日生まれだから……そのときはまだ18歳! モーニング娘。’19でいうと佐藤優樹と同い年!

—誕生日までスラスラと(笑)。

掟:実際、日本だとアイドルの年齢じゃないですか。オフですっぴんだったのもあって、「うわー子供!」って感じで。それでいて一応ロックスターなので、オナニーのことを歌ったり、自分のマイクをディルドに見立てて、(股間に)突っ込もうとするアクションで歌うとか。日本のアイドルがやったら絶対に人気出るだろうなー。


—アロウとはどんな話をしたんですか?

掟:意外とマジメなんですよね、ちゃんと政治のこととかも考えていて。だからバカ話には乗ってこなくて、アクビばっかりしてましたけど、オジーの話をしている時だけは目がキラッとしてました。昔、『BUBKA』の「オジーの悪魔道入門」という企画をやりまして。オジーに取材してガイコツを咥えてもらったりして、俺があとで写真にキャプション付けるっていう。オジーは最初、ヨボヨボしながら歩いてて「大丈夫か?」って感じだったのが、トイレから戻ってきたら「よし、やるか!」とノリノリになって。明らかに何か入れたなって(笑)。その話をすごく羨ましがっていましたね。

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