ビリー・アイリッシュ、グリーン・デイのビリー・ジョーと対面「アドバイスは信じない」

左からビリー・ジョー・アームストロング、ビリー・アイリッシュ(Photo by Brad Ogbonna for Rolling Stone)

ティーンポップのスーパースターと、彼女のヒーローであるビリー・ジョー・アームストロングの対談が実現。グリーン・デイの初期、音楽業界で正気を保つための術、そして客と喧嘩になった時のことまで、ビリーがビリーに語った。

ビリー・アイリッシュのお気に入りのグリーン・デイの曲を知って、ビリー・ジョー・アームストロングは驚いた様子だった。それは彼らの代表曲ではなく、1994年作『ドゥーキー』に収録されているアコースティックな隠しトラック「オール・バイ・マイセルフ」だ。「あぁ、あれはトレ・クールさ!」。同曲で歌っているのがバンドのドラマーだということを、アームストロングは改めて強調した。「もちろん知ってる!」。そう話すアイリッシュを前に、彼はこう付け加えた。「他愛のないダーティな曲さ」



『ドゥーキー』が発表されたのはアイリッシュが生まれる7年前だが、彼女があのレコードに夢中になった理由は察しがつく。あのアルバムにおける退屈、不安、自信喪失といったテーマは、彼女が大ヒット作『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』で極限まで突き詰めたものと同じだからだ。現在17歳のアイリッシュは、9歳の頃からグリーン・デイを聴いている。そして彼女の兄でありコラボレーターでもあるフィァネス・オコネルは、10代になったばかりの頃から「緩めた小さなネクタイからアイライナーまで」アームストロングのすべてを真似ていたほどの大ファンだという。「兄はあなたのできそこないってわけ」。そう話すアイリッシュを前に、アームストロングは笑ってこう答えた。「今やすっかり一人前になったみたいだけどね」



アームストロングが所有する60年製フォード ファルコンの後部座席で、2人は並んで座っている。Craigslistで1000ドルで購入した後、自身でエンジンを組み直したというその車を、彼はロサンゼルスのニューポートビーチにある自宅から持ってきてくれた。

「ヤバい」。最近初めて車(黒のダッジ チャレンジャー「私のドラゴン・ベイビーよ」)を買ったアイリッシュはそう言った。今日を楽しみにしていたという彼女にアームストロングが贈った箱の中には、「Billie」の刺繍が入ったメカニックのシャツが入っていた。現在47歳のアームストロングは、ソウルやニュー・ウェーヴ、そしてヴィンテージのR&Bまでを取り込んだグリーン・デイの13枚目のアルバム『ファザー・オブ・オール…』を完成させたばかりであり、1年に及んだ制作期間を終えて羽を伸ばしていた。バンドは先日、2020年夏にウィーザーとフォール・アウト・ボーイとスタジアムツアーに出ることを明らかにした。



一方アイリッシュは、来年3月から始まる全米アリーナツアーの準備中だ。2人に共通する点は少なくないが、対談では明らかにジェネレーション・ギャップを感じさせる場面もあった。写真撮影を前に、アームストロングがスタイリストの鏡を見て「眉毛もバッチリ(Fleck)だな」と言うと、アイリッシュは吹き出した。「Fleckだって。それを言うならFleek(チリバツ)だよ!」

Translated by Masaaki Yoshida

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