22歳の女子プロレスラー・里歩は世界へ そして「まだ見ぬ場所」へと進む

プロレス界の“母”さくらえみを超えるためにフリーの道へ

─というように、里歩さんの成長にとってターニングポイントとなった我闘雲舞から離れる決意をした理由って、どこにあったのでしょうか?

里歩 直接的には、2019年5月に実現したAEW初参戦ですね。こう見えてデビュー14年目なので、海外を含めいろんな試合を経験してきたんですけど、それでも、まだまだ自分が見たことのない景色があるんだなって、強い刺激を受けてしまったんです。この先、レスラーとしての寿命がどれくらいあるのかわからないけど、その間にもっともっと、新しい世界を体験しておかなきゃって。



─とはいえ、まさにプロレス界のお母さん的存在である、さくらさんの元を離れるのには、相当な勇気が必要だったのでは?

里歩 自分で言うのも何ですけど、我闘雲舞の人気を自分が支えていることもわかっていたので、当然躊躇はありました。でも、さくらさんに相談したら、即返事で退団を勧めてくれて。

─そこが凄いところですよね。さくらさんにとっても、かけがえのない“娘”だったはずなのに。

里歩 だからこそ一緒にいるうちは、さくらさんを超えることができないと思った、というのもあるんです。同じ団体にいたら、やっぱり後を追ってしまうじゃないですか。でもそれだと、どんなに頑張っても、さくらえみにしかなれないから。超えるためには、さくらさんの教えを活かしながら、違う場所で、自分の力で走っていかないとダメなんですよ。そのことを、さくらさんも理解してくださっているんじゃないのかな、って。

─プロレスラーとして、さくらさんに教わったことで、肝に銘じていることはありますか?

里歩 「人の真似をするな」ですね。プロレス技にもトレンドがあって、人気の技はすぐに広まるんですよ。でも、さくらさんは、他人の技を安直に取り入れることを、とても嫌っていて。人真似に頼らず、自分の技を信じて大切に磨いていく、という教えは今でも忠実に守っているつもりです。だから、蒼魔刀でAEWのベルトを奪取できたのは、本当に嬉しかったですね。自分が磨き続けた技が世界に通用したわけですから。

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