22歳の女子プロレスラー・里歩は世界へ そして「まだ見ぬ場所」へと進む

体操教室に通っているつもりが、なぜか9歳でプロレスデビュー

─ちょうど名前が挙がりましたが、里歩さんを語る上で欠かせない存在となるのが、AEWにも参戦しているさくらえみさんですよね。プロレス界でも屈指の鬼才として知られる。なにしろ、里歩さんをプロレスの道に引き込んだ張本人ですし。

里歩 そうですねぇ。最初にお会いしたのが、小学校2年生のときですから。当時、さくらさんが子ども向けのアクション体操教室を開催していて、そのチラシをたまたま目にしたのが、すべての始まりだったんです。

─その頃って、プロレスに興味を持っていたんですか?

里歩 いや、存在すら知らなかったです。もちろん、さくらさんのことも。純粋に体操教室だと思って通い始めて、教わるとおりに身体を動かしていたら、実はそれがプロレスの基本動作だったという。で、気が付いたら9歳でリングに立っていて(笑)。

─騙されたようなものじゃないですか(笑)。

里歩 そういう意識すらなかったですよ。自分としては、習い事の延長というか。普通の子でいえば、ピアノの発表会に出るくらいの感覚だったのかも。さくらさんが設立したアイスリボンという団体に所属していた時代は、ずーっとそんな感じで試合をしていたんだなって、今となっては思いますね。



─小学生の女の子をプロレスラーにするっていう発想もぶっ飛んでいましたが、その後2012年にはなんと、女子プロレスを広めるためにタイへ渡るじゃないですか、さくらさんって。結果的には、そのために自分が創った団体を突如離脱してしまうような形で。

里歩 さくらさんがアイスリボンを退団されたとき、実は本気で引退しようと思っていたんです。デビューしてからずっと、さくらさんの姿を追うようにプロレスをしていたので、さくらさんがいない状態で、どうすればいいのか、本当にわからなくなったんですよね。

─それで、里歩さんもさくらさんが新たに旗揚げした我闘雲舞(ガトームーブ)に合流したわけですね。ファン目線の印象ですが、我闘雲舞に合流しリングネームを現在の「里歩」に改めて以降、試合内容が大きく変わったように思えました。

里歩 アイスリボン時代は本当に何も考えてなかったんですよね。言われたとおりに試合すればいいんだって思っていたから。

─アイスリボン内でのポジションも目立つ位置にいたものの、どちらかといえばジョーカー的な存在になっていましたしね。

里歩 そんな自分が我闘雲舞では、人数が少なかったこともあり、いきなりエースに置かれてしまったんです。そうなると、やっぱり自分で考えて行動しないといけなくなるわけで。

─エースとしての自覚が芽生えたと。

里歩 あとは、自分が直接面倒を見る後輩ができたのも大きかったですね。2017年に引退した「ことり」っていう、妹みたいな存在の選手がいたんですけど、彼女を育てていく経験を通じて、自分も人間的に大きく成長できたのかなって。

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