Perfume、LINE CUBE SHIBUYAこけら落とし公演全8日間完遂

観客が息を飲んで待つ会場。そこに不意に耳障りなマシン・ノイズが鳴り出した。真四角に切り取られたたくさんのサンドストーム画面が現れ、鼓動のような音とリンクしてメンバーの唇、目、手が現れては消える。これまでのあらゆる映像や音声も、超高速でランダムにフラッシュバック。見えたのが錯覚か否か脳が追いつかぬ間に、目の前にはめくるめく「Reframe」の世界が広がっていた。素朴に、あ、面白いなと思ったひとつが「Record」だ。ステージとリフター上と別々の三箇所に立つメンバーが、一人ひとり生声で「マイクチェック、ワンツー、アー」と言って自己紹介。そして、頭上の「REC」ボタンが点いた順に、流れているリズムのあるタイミングで正確に「ツ」、「タン」、「アー」などと発声する。すると、いわゆるルーパーのように声は録音されどんどん重なっていき、いつしかポリリズムのカオス的サウンドが生まれていた。これは、デジタルとアナログのPerfume的生コラボという意味でも、純粋に音楽的にも興奮したポイントだった。



「Reframe 2019」が観客参加型であったことも、特筆すべき点だろう。開催期間中、LINE CUBE SHIBUYAの2階のロビーには「Pose analysis」というブースが置かれ、希望する観客はそこで20秒間の撮影に参加。その服装や動きの解析データが、演出の一部として使われた。そして、ポーズといえば忘れられないのが、人気曲の印象的なワンポーズを、3人が18曲にも渡って生で見せてくれたこと。ああ、そのまま美術館に飾りたいと溜め息が出るほど、生身の3人が創り出すそのポーズはアートなオブジェだった。

後半「FUSION」、「edge」と攻めの曲が続くと、もはや本物かバーチャルか見分けがつかなり、さまざまな種類のバーチャルPerfumeが徐々に人格を帯びるように感じられた。が、やがてそのバーチャルな3人は、どこか知らない宇宙の彼方に落ちていくように消えていく。聞こえてきたのは、3人の声のカットアップで再構築された「キミ」、「ボク」、「ヒカリ」、「印象」、「連続」といった言葉。気づけば薄明かりのステージに本物の3人が立っていた。そして、「無限未来」。暗がりを揺らぐ光と手を取り合うように踊るそのエレガントなダンスに、じっと目を凝らした。

Rolling Stone Japan 編集部

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