トランプ大統領弁護人が衝撃発言「大統領が殺人を犯しても罪に問われない」

ダーティーハリー気取りのトランプ大統領(Photo by Warner Bros/Kobal/Shutterstock; Shutterstock)

控訴審においてトランプ大統領の弁護団のひとりが、大統領在任中はたとえ冷酷な殺人を犯しても起訴できないなどという衝撃的な主張を行った。

トランプ米大統領は、たとえ自分がニューヨーク五番街のど真ん中で誰かを撃っても一切の政治的支援を失うことはない、とかつて豪語していた。そして今、大統領の弁護団は彼の言うことが法的に正しいと主張している。少なくとも大統領在任中は殺人であっても罪に問われないというのだ。

大統領は在任中の刑事告訴を免れる、というのがこれまでの米司法省のスタンスだったが、実際にこの主張が裁判で争われたことはない。ところが最近ある連邦判事が、この主張は「米国の政府機構や憲法に矛盾している」として強く非難した。

しかし政府は、大統領が在任中に起訴されることはないという主張を支持する司法省法律顧問局による覚書を根拠に、聖域を築いてきた。例えばロバート・モラー特別検察官は、ロシア疑惑に関連してトランプ大統領を起訴しようとしたが、この聖域によって阻まれたと主張している。

連邦控訴裁判を前に、大統領の免責特権が議論の中心になっている。マンハッタン地検は、金融犯罪容疑のかかるトランプ大統領の個人及び法人の納税申告書を証拠として提出するよう求める召喚状を発行した。大統領には、彼と不倫関係にあったと主張するポルノ女優のストーミー・ダニエルズに口止め料を支払った疑惑がかけられている。召喚状に対しトランプ側は反論したものの、連邦地裁は2019年10月初旬、「大統領は超法規的な存在ではない」としてトランプ大統領側による免責特権に関する「異例の主張」を退けた。

10月23日、トランプ大統領の弁護団は裁判において大統領の持つ免責特権の主張を繰り返した。さらに、トランプ大統領が仮に街中で冷酷な殺人を犯したとしても在任中は刑事訴追を絶対的に免れる、などという極端な表現で強調した。

殺人を引き合いに出した比喩表現は、トランプ自身が大統領選挙活動中に持ち出したものだった。「私の支持者は最も忠誠心が高いと言われている。わかっているか? 私が五番街の真ん中で誰かを撃ったとしても、君らは私に投票してくれるだろう? 驚くべきことだ。」

トランプの弁護人ウィリアム・コンソヴォイは、裁判におけるデニー・チン判事とのやり取りの中で、トランプ大統領が在任中にそのような殺人を犯しても法的影響を受けないと主張した。

チン判事: トランプ大統領による五番街の殺人の例え話についてどう考えますか。地元警察は捜査しようとしても何も手出しができないでしょうか。

コンソヴォイ弁護士: 大統領が職を離れた後なら、地元警察も捜査できると考えます。恒久的な免責特権ではありません。

チン判事: 在職中はどうでしょう。

コンソヴォイ弁護士: 現職大統領にはできません。

チン判事: 何もできないということですね。それがあなたの見解でしょうか。

コンソヴォイ弁護士: その通りです。

以下は、裁判におけるショッキングなやり取りを録音したNBCニュースによるツイート:


Translated by Smokva Tokyo

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