眉村ちあきLIQUIDROOMワンマン公演、ライブには愛をぎっしりと詰めて

東京・LIQUIDROOMにて「東阪ワンマンライブ LIQUIDROOM〜過剰なダブルピース〜」を成功させた眉村ちあき(Photo by 原田夕季))

眉村ちあきが、10月21日に東京・LIQUIDROOMにて「東阪ワンマンライブ LIQUIDROOM〜過剰なダブルピース〜」を開催した。この日のチケットはソールドアウト。1000人の観客が1つになった本公演をレポートする。


眉村は、これまで1年に1度規模を拡大しながら大きな会場でライブを行ってきた。今年の6月にも東京・新木場STUDIO COASTで2000人動員のライブを成功させている。しかし今回のLIQUIDROOMの動員は1000人。一見動員数が減っただけのように見えるが、今回のライブはチケットがソールドアウトしたと言う所に大きな意味がある。2020年から頻度を上げて “軽々しく”ワンマンライブを行っていくと宣言した眉村にとって、今日がそのスタート地点になるライブとなった。

赤と緑の照明がステージを照らすと「恋人たちのクリスマス」風のアカペラSEが流れ、トナカイに扮した吉田豪が押すカートに乗った眉村が登場。なぜ今クリスマスだったのかは明かされなかったが、心底楽しそうに笑顔で手を振っていた。思い返せば、照明もクリスマスカラーであった。

ライブは「Queeeeeeeeeen!」からスタート。眉村の愛らしいダンスと一緒に、会場全体が恒例の左手を使った振りを揃えて踊っているのを見ると、今日の一体感の高さが一段と高い事が分かる。恥ずかしがる人は1人もおらず子供から大人まで楽しめる空気がそこには産まれていた。続く「荻窪選手権」では銀テープも発射され、会場は出だしから揺れんばかりの大盛り上がりだ。


Photo by 原田夕季

MCでは眉村の持ち前の明るさに会場が暖かく笑いに包まれると、新曲の「DEKI☆NAI」をスクリーン一杯のVJをバックに披露。意外にも切ない歌詞が独特のPOPセンス光る曲調に乗る魅力の詰まった1曲だ。夏の音から始まる「夏のラーメンワルツ」では、何度もステージ裏に戻りスタッフを連れてくると、サビでワルツを踊らせる。そんなとにかくやりたい事をやろうとする天真爛漫な眉村を観客が暖かく見守り応援するのも彼女のライブならではの光景。「ナックルセンス」ではステージからダイブすると、観客も慣れたように眉村を運んでいく。会場横にたどり着くと「もののけ姫」を歌い、満足したように「さんぽ」を歌いながらステージへ帰っていった。客席からも思わず「自由か!!」とツッコミが飛ぶ。本人も、「『ゴットタン』だけ見て来た人はびっくりするよね」と笑って話していた。

即興ソングから繋げていったのは、NHK Eテレ『ビットワールド』歌のコーナーで眉村が歌う「マーメイドちゃんは海の底」。即興部分では今日のライブを開催したことに「愛がぎっしり詰まった理由がある」と歌っていたが、当日の会場の様子を上手く捉えた素直な言葉に思えた。1000人規模のライブ会場でここまで一体感を高め濃密な空間が作られるようになったのは、眉村が多くの人を巻き込み進んできたその証ではないだろうか。

「ほめられてる!」、「ちゃらんぽらん」と続け「I was born in Australia.」で再び客席にダイブをすると、もうライブは後半戦だ。新曲のトラックが流れないという音響トラブルがあるも、「もののけ姫」(ラップver.)で会場を盛り上げ、即興ソングから自然に繋がる「音楽と結婚ちよ」をマイクも通さない生の声で披露。感動が1人1人に確かに届き、大きな拍手と歓声が起こった。

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