タランティーノ、未公開映像を加えた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を再公開

Andrew Cooper

クエンティン・タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が未公開4シーンを含む10分間の追加映像とともに北米で再び劇場公開される。

クエンティン・タランティーノ最新作品『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のエクステンディッド・カット版が再び劇場公開されることになった。この新バージョンには、新たな4シーンを含む合計10分間の未公開シーンが追加されている。アップデートされた同映画はほぼ3時間に及ぶ上映時間となり、米国現地時間10月25日から北米1000ヵ所以上の劇場で再上映される。

「観客はこの映画にとても大きな支持を寄せてくれました。そこで、我々は彼らが見るべきシーンをしっかりと見てもらう機会を、劇場の大きなスクリーンで提供することに決めたのです。クエンティン・タランティーノが60年代の風景とサウンドの未公開シーンを自ら加えてくれました」と、ソニーの米国内流通部門社長エイドリアン・スミスがコメントを寄せた。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が全米公開されたのは今年7月。この作品にはレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、エミリー・ハーシュ、マーガレット・クオーリー、ティモシー・オリファント、アル・パチーノ、ブルース・ダーンなど、錚々たる俳優陣がキャスティングされている。

新バージョンはかなりの尺長ではあるが、実はもっと長くなる可能性もあったという。5月に映画業界&レビューサイトIndieWireが当初の編集では上演時間が4時間20分だったと報じていた。つまり、現時点でも未使用シーンが1時間以上残っているということになる。

タランティーノの9作目となる今作は、北米だけで1億3900万ドル(約151億270万円)、アメリカ以外では2億2800万ドル(約247億7500万円)の収益を上げており、同監督作品としては2012年の作品『ジャンゴ 繋がれざる者』に次ぐ第2位の興行収入作品だと、ヴァラエティ紙が報じた。ただ、興行的には大成功を収めたとはいえ、マーシャル・アーツのアイコンであるブルース・リーの描き方を巡って論争が巻き起こる結果となってしまった(同作品ではブラッド・ピット演じるクリフ・ブースとブルース・リーが映画の撮影所でケンカするという演出がなされている)。

中国の検閲が10月25日の中国国内での公開を取りやめ、ソニー・ピクチャーズからこの件に関する説明は一切行われていない。しかし、ある関係者がハリウッド・リポーター誌に、この延期はリーの娘シャノン・リーが国家電影局を通して父親の描写を変更するように製作側に通達したことが原因だと語った。一方、契約上、最終的な編集権を有しているタランティーノは、映画の描写を変更するつもりはないと報じられている。



Translated by Miki Nakayama

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