アメリカで10代の自殺率が激増

「自殺」には複合的な要素が絡み合う

もちろん、関係しているからといって必ずしもそれが直接の原因ではないということを常に念頭に置いておかねばならない。精神科医たちも自殺について考えるとき、ひとつの「原因」や要素だけを取り上げないよう注意しなければならないと話す。精神疾患や薬物乱用など、ティーンエイジャーの自殺につながってしまう要素があると把握していても、自殺率の急上昇の理由を「断定できる科学的結論」に至れるほど研究が進めていない、と米国自殺学会の役員で心理学者のエイプリル・フォーマン博士は以前ローリングストーン誌に話していた。どんな外的要因があってもなくても、「社会では様々なことが複雑に絡み合っています。我々はまだ自殺を十分に理解できていないのです」と彼女は言った。

とはいえ、救急処置室や小児科での自殺スクリーニングなどの早期介入や、自殺願望を持っていた人が立ち直ることができたという前向きな話に触れることで、自殺を予防できると様々な研究結果が示している。だからこそ今回の疫病管理予防センターの調査結果に対してパニックを起こしたり過剰な憶測だと構えたりせず、より危険にさらされているティーンエイジャーたちへの啓発であると認識することが重要だ。

Translated by Mika Uchibori

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE