ハリー・スタイルズ密着取材「心の旅で見つけたもの」

ハリー・スタイルズ(Photograph by Ryan McGinley for Rolling Stone)



「自分の弱さをさらけ出すようになった」

ハリーと会うと誰しもが彼に夢中になってしまう。その最たる例が、2月に彼のヒーローの一人、ヴァン・モリスンと楽屋で撮った写真だろう。こんなヴァン・モリスンの姿は見たことがない。彼は50年間カメラの前でポーズを取ってきたが、ほぼ毎回にっこり笑うのを拒んでいた。それがハリーと出会うや――どういう風の吹き回しか、ヴァンはまるで浮足立った女学生のような満面の笑み。ハリーはどんな技を使ったのか? 「彼の背中をくすぐったんだよ」とハリーは種明かししてくれた。「誰かがあの写真を送ってくれて――たしか彼のツアーマネージャーが撮ったんだと思う。それを見たとき、『パルプ・フィクション』のジョン・トラボルタが金色の光を放つアタッシュケースを開けた時みたいな気分だった。『くそっ、この写真は誰にも見せられないな』ってね」


2019年7月23日、クイーンズで撮影したハリー・スタイルズ(Photo by Ryan McGinley, Hair by Thom Priano / Statement Artists, Make-up by Dotti / Statement Artists, Styling by Harry Lambert at Bryant Artists.)

ハリーはいつもインタビューで、当たり前のように、そうした魅力を発揮する。10代のころに年がら年中公の場にさらされながら、プライバシーをがっちりガードすることを覚えたのだ。だが最近は、自分にも言いたいことがあるのだと気付き始めた。以前よりも堂々と自分の考えを口に出し、その後の反応を見られるようになった。「前よりユルくなった」と彼も言う。「前よりオープンになった。友達の前で素を出すのがどんなに気持ちがいいかってことに気づいたんだ。すべてをため込むんじゃなく、自分の弱さをさらけ出すようになった」

同世代の人々と同様、彼もカルチャーやジェンダー、アイデンティティ、男らしさに対する新しい考え方やセクシュアリティに疑問を抱いている。「僕はかなりラッキーだと思うよ。感情をオープンに話してくれる仲間がいるからね」と彼は言う。「友達の父親から言われたんだ。『お前たちは我々よりずっと恵まれている。自分には、胸の内を明かせる友人など一人もいなかった。本気で腹を割って話ができる仲間がいるのはいいことだ。自分たちはそうじゃなかった』って」

これをきっかけに、楽曲への取り組み方が変わった。「僕にとって(オープンになるということは)、膝を突き合わせて『ディナーではこれを食べて、毎日ここで食事して、寝る前には必ずコレをするんだ』っていうのとは違う」と彼は言う。「そうじゃなくて、『嫉妬すると何もかも手が付けられなくなるんだよね』って話すことなんだ。今までにないほどハッピーにもなるし、寂しくもなる。自分を可哀そうに思うこともあれば、イライラしたり、ウジウジ悩むこともある――そういうのを共有するのが、すごく新鮮なんだ」

Translated by Akiko Kato

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