ホット・チップのアレクシス、全アルバムとキャリア20年を本音で語る

4.『One Life Stand』(2010年)



─僕はこのアルバムが一番好きです。

アレクシス:ありがとう。これまでの作り方からガラリと変えただけに、思い出もたくさんあるよ。アルとフェリックス(・マーティン)が作ったスタジオで制作して、ドラマーにディス・ヒート/キャンバーウェル・ナウのチャールズ・ヘイワードが加わっている。僕は彼のドラムが大好きで、このアルバムに色々と足してもらえたのは嬉しかったね。他にもスティール・パンでフィンバー・ブラボーを迎えたり、初めて外部のミュージシャンを何人も迎えることで、自分たちの可能性を拡げつつ再確認しようとしたんだ。「I Feel Better」「One Life Stand」あたりはライブの定番曲だし、「Alley Cats」「Slash」は自分のソロライブでも披露している。非常に満足している一枚だけど、今久しぶりにクレジットを見たら、スペシャルサンクスの1人目の名前……スペルが間違えてる(苦笑)。まあ、僕が間違えたわけじゃないから。





─「I Feel Better」のMVは、個人的に世界最高のビデオの一つだと思っています。なぜあんな内容になったのでしょうか?

アレクシス:監督のピーター・セラフィノイスはコメディアン兼コミックライターかつ俳優で、『スター・ウォーズ』シリーズのどれかにも出ていたはず(※)。フェリックスが彼のコメディ作品の大ファンで、MVの監督を依頼したんだ。フェリックスとピーターは電話でたっぷり打ち合わせしていたけど、ピーターのアイデアがどれもよかったから、彼にシナリオも提案してもらったんだ。偽物のボーイバンドをホット・チップに見立てたもので、今でも僕のお気に入りのビデオだよ。相当バカげているけど、よく出来た作品だと思う。

※『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』でダース・モールの声を担当しているほか、『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などの映画にも出演。ホット・チップ「Night & Day」(『 In Our Heads』収録)のMVも監督している。

Translated by Aimie Fujiki, Aya Miyahara

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