エリザベス・ウォーレンが「売春の非犯罪化」に慎重になる理由

ウォーレン議員の声明は無意味ではない

だからといって、ウォーレン議員の声明が全く無意味だとか、大統領選の最有力候補が売春の非犯罪化を公言したのは大したことでない、というわけではない。前回の大統領選では全く取り沙汰されなかったことを考えれば、ウォーレン議員の提言に盛り込まれるほど深刻な問題だとみなされている事実そのものは意義深く、この数年の活動の進展具合を如実に表している。「10年前は、ごくわずかなトランスジェンダーの権利を話題にすることを、重要だと思っている人はいませんでした。それと同じことが今、売春の問題で起きているんです」と、ルーオ氏はローリングストーン誌に語った。

だが事実、全ての問題に対しての解決策があるということで有名な候補者には、売春に関しては策がない。このことが、セックスワーカーの権利を訴える活動家たちには不満となっている。具体的にどのような政策を取るつもりかも説明せず、社会的弱者に害を及ぼすことが明らかとなった法律の撤回支持も表明しないまま非犯罪化に前向きだと発言することで「彼女はちゃんと状況を理解しているとわざわざ口にしたり、実現に向けた具体策を示す必要もなく支持を集めることができるのです」とマックラケン博士は言った。

Translated by Akiko Kato

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