エリザベス・ウォーレンが「売春の非犯罪化」に慎重になる理由

2019年9月19日、アイオワシティで開催されたタウンホールミーティングで演説する大統領選民主党候補、エリザベス・ウォーレン上院議員(Photo by Charlie Neibergall/AP/Shuttersto)

米民主党の他の大統領選有力候補と同様、エリザベス・ウォーレン上院議員も売春に関する立場を明確にすることには慎重な姿勢を見せている。

だが先週、ウォーレン議員はLGBTQ+の権利を保護する包括的な計画を発表した。「LGBTQ+の労働者の地位向上」と題した箇所で、ウォーレン氏はこのように書いている。「私は売春の非犯罪化にも前向きです。全ての労働者と同じように、セックスワーカーにも自主性が認められるべきです。彼らはとりわけ身体的、経済的圧力や苦難の対象となりやすい立場に置かれています」 。さらにTwitterでも計画を公表し、同じ言葉を繰り返した。

・2019年10月10日のツイート
「私が大統領になった暁には、労働者の地位回復を最重要課題といたします。国民全員に適用される経済活動を、LGBTQ+の人々も同じように共有できるよう戦ってまいります。私は大統領として、職場での差別に戦ってまいります。また、労働者をハラスメントから保護する画期的な反差別法を新たに推し進めてまいります。私は売春の非犯罪化にも前向きです。すべての労働者と同じように、セックスワーカーにも自主性が認められるべきです。彼らはとりわけ身体的、経済的圧力の対象となりやすい立場におかれています」

LGBTQやセックスワーカーの権利を訴える大勢の活動家が歓喜に湧き、ウォーレン議員が真に前衛派な立場であることの表れだ、として声明を絶賛した。また、ウォーレン議員がセックスワーカーの権利を声明に盛り込んだ際、LGBTQ労働者の権利問題の流れの中で取り上げたことが多くの人々の胸に響いた。LGBTQは長年住宅や雇用面の差別などにより、不釣り合いに売春コミュニティのシンボルとみなされてきたからだ。何よりも、売春を労働の一形態だとみなしたことが驚きで、長い歴史の流れでみても相当珍しいことだ、とジル・マックラケン博士は言う。セックスワーカーの権利を訴えるグループSWOPタンパベイ支局の共同創始者兼共同責任者だ。「労働者の権利という背景でセックスワーカーを労働者だと位置づけた候補者は、今まで見たことがありません。かなり前衛的で、衝撃的ですが、最終的には歓迎したいと思います」と、彼女はローリングストーン誌に語った。

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE