The 1975が惚れ込んだ22歳、ノー・ロームが語る「憧れの日本」と「アジア人の挑戦」

ノー・ローム(Courtesy of Hostess Entertainment)



新曲「Talk Nice」に込めたメッセージ

10月4日には新曲をリリースしたノー・ローム。今作においても、MVはAdam Powellが監督し、アートワークはSamuel Burgess-Johnsonが手がけている。タイトルは、「Talk Nice」。意訳すると、「心地よく話そう」といったところ。チルアウト的なビートや音色が鳴る中に、重厚感のある歪んだ音も重なってくる。差別、貧困、気候変動、ドラッグ、メンタルヘルス――世の中で起きている問題を挙げだすとキリがないし、ノー・ロームはそれらから目を逸らすことはないけれど、隣の人と気持ちよく話す時間を大切にしたいと歌う。多面性・表と裏があることばかりの現実で生きていく難しさを、ノー・ロームはサウンドでもリリックでもビデオでも見事に表現した。



―最新曲「Talk Nice」は、どういうことを表現したかったのでしょう?

ノー・ローム:「Talk Nice」したかったんだよね。前に出した「Cashmoney」は、「たくさんお金があって、なんでも買ってやるよ」という歌だったんだけど、その曲のペルソナを作ろうとしたんだ。お金よりも人間的なエモーションのほうが大事だということを、「Talk Nice」では言いたかった。でも現実は、お金もすごく大事。だから“Life has a price to pay Can we afford it”と歌ってるんだ。つまり、問いだよね。たとえば、恋をしたくてもお金はかかる。好きな人に会いたければ、電車賃が必要だったりする。でも、お金がすべての感情を解決してくれるのかといえば、そうじゃない。現実をちゃんと見つめながら、「Talk Nice」したいと思ったんだ。サビでは“Money over everything”“Money isn’t everything”と両面を歌ってるんだけど、現実ではいろんなことに裏と表があるから、それこそがリアルでしょう。

―「Talk Nice」と、そこに“Nice”という言葉を選んだのが、とてもナイスですね。

ノー・ローム:そうでしょう?(笑)。“Late night Talk nice”というラインから出てきたんだけど、このラインはすごく気に入ってる。ある人と会話しているときに、「そういうことだな」って思ったんだ。「Talk Nice」という言葉は、言い当てているように思ってるよ。

―この曲はマッティやジョージのプロデュースではないですよね。そうした理由は?

ノー・ローム:冒険するのはナイスだからね。それが一番の理由かな。2人と2つの作品を作ったことは、十分幸せだったから。最近は少しずつ、もっとインディペンデントにやっていこうかなと思い始めてる。アーティストにとって、「Do your thing(=自分のことをやる)」ということはすごく大事だと思うから。

―The 1975もそうだけど、あなたはいろんなジャンルの要素を混ぜながらも、「ポップミュージック」を作ろうとしていると思うのですが……。

ノー・ローム:うーん……。

―あ、それは違う?

ノー・ローム:いや、違うというわけではないんだけど。マッティが「僕らはポップバンドじゃない」って言ってるMV(The1975の「Girls」)もあるけど(笑)、でも彼らは今ポップミュージックを作ってると思う。僕は「ポップミュージック」という言葉が好きなんだよね。なぜなら、その言葉を使えば多くを説明しなくて済むから。ポップミュージックというのは、人気(ポピュラー)な音楽ということでしょう? ポピュラーな音楽とは、みんなの耳に届く音楽。誰しもにとって聴きやすくて、楽しんでもらえるもの。ジャンルは関係ない。だから僕は自分が音楽を作るときにジャンルの制限をかけたりしないんだ。ビョークは僕のヒーローの一人で、彼女も「私はポップミュージックを作ってる」と言い続けているけど、みんなが想像する「ポップミュージック」とは違うでしょう。そういうことなんだよ。

―ビョークは世界中で「ポピュラー」ですからね。

ノー・ローム:そう、その通り!

―では、ポピュラーミュージックのスターになるために、一番大事なことはなんだと思いますか?

ノー・ローム:ベタな答えだけど、自分が作りたい音楽やアートを作る、やりたいことをやる、ということだね。今の時代なら、きっと誰かが見つけてくれる。世界は広いから。自分がやってることの価値を理解してくれる人、共鳴してくれる人が、絶対どこかにいると思う。

―今年中には新作(ミックステープ)をリリースする予定だそうですね。そこには、あなたのどんなやりたいことが詰まっていますか?

ノー・ローム:前作『Crying In The Prettiest Places』はメンタルヘルスについて歌っていて、1曲目はすごく深く落ち込んだときの歌だったりしたけど、今回はシンプルに楽しくて、エネルギーを与えられるようなものになっていると思う。でも同時に、深い意味もある。いろんな人とコラボレーションして作ってるよ。ベストなものを完成させようと、今作業してるところ。メインのアイデアは、コラボレーションして、いい音楽を作って、楽しむ、ということだけど、実はすべての曲に意図を込めているから、楽しみにしててほしいと思う。




ノー・ローム

「Talk Nice」
配信中

視聴リンク:
https://smarturl.it/2f0a6l

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