50セントのヒット曲を新婚のジャスティン・ビーバーがリミックス

Beretta/Sims/Shutterstock

へイリー・ボールドウィンとめでたく結婚式を挙げたばかりのジャスティン・ビーバー。暇つぶしだと言いながら、50セントの2003年のヒット曲「Many Men (Wish Death)」を秀逸な歌詞でアレンジしたリミックス版を公開した。

ここ数年、数多の男性ミュージシャンたちは結婚がキャリアの墓場ではないことに気づきはじめている。ジェイ・Z、ジャスティン・ティンバーレイク、カニエ・ウェスト、ラッパーのオフセットらは、見たところ山あり谷ありの2010年代の大半を結婚生活とともにこなしている。そしてこの度、ヘイリー・ボールドウィンとめでたくゴールインしたジャスティン・ビーバーもまた、結婚という幸福がもたらすクリエイティビティを次のアルバム制作の活力とするかもしれない。

先日、ビーバーはInstagramのストーリー機能を使って50セントの2003年のヒット曲「Many Men (Wish Death)」の歌詞をアレンジしたリミックス版の動画を投稿した。「Many Men」は、配偶者愛ではなく、タイトルにもなっている“大勢の奴ら”が50セントの死を望んでいる、という内容だ。それを踏まえて、2000年代初めの気骨あふれる名曲を結婚やキリスト教をめぐる瞑想にすり替えたビーバーの動画は、パフォーマンスアートの傑作、あるいは暇を持て余した頭のイカれた金持ちポップスターのスナップショットのどちらとも受け止められる。とはいっても、ビーバーの歌詞は秀逸だ。神々しいまでのビーバー版の歌詞を簡単に紹介しよう。

Got a wife living life, living right, yeah it’s tight
Gluten free look at me who woulda thought I’d be nice
When I rap I was laughing, on the beat I attack
With the heat no strap, on the beat no cap
Yeah my style was impeccable
My wife yeah, yeah I put her on a pedestal
My life is like a movie The Incredibles
They put me as a menace then
Never thought that my depression would depend on it
I been sending it
Going hard running on adrenaline
Been a victim of the system I’m a Christian with a vision I’m a gentleman

嫁との生活を手に入れた、俺は正しく生きてる、そう、クールだ
俺を見てくれ、グルテンフリーのおかげだ、俺がいい奴になるなんて誰が想像した?
ラップするときはアタックするビートに向かって笑ってた
マジで自由な熱とビートに乗せて
そう、俺のスタイルは完璧だった
俺は嫁を崇めてる
俺の人生は映画、まるで『Mr.インクレディブル』だ
昔はみんなが俺を危険人物扱いした
そのせいで俺が意気消沈するなんて思いもせずに
俺はずっとずっと
強力なアドレナリンに頼って生きてきた
俺はシステムの被害者、理想あるキリスト教徒、そしてジェントルマンだ

2000年代を代表するラッパーのひとりである50セントにインスパイアされた曲で、グルテンフリーの食生活について語ったあとに“no cap(マジで)”と歌うなんて、まさにポップの集大成のあるべき姿だ(そもそもポップの集大成とは何か判断できるなら)。そこからビーバーは「Many Men」を象徴するサビの歌詞にひねりを加えながらも、音楽ストリーミング以前の時代に50セントをスターダムへ導いた耳に残るメロディをそのまま使っている。ビーバーによるリミックス版が二度と日の目を見ないことも重要な要素だ。「アルバムに入れるようなものじゃない。ヘイリーがotter roomで動画かなんかの仕事をしてるあいだの暇つぶしだ」とビーバーはInstagramにコメントした。「でも、『Many Men』はかなりイケてる」。

ビーバーの言う通りだ。彼の「Many Men」のリミックスはマジでクールだ。

Translated by Shoko Natori

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