米出版界の大物、性的虐待者を黙らせ権力者にすり寄る姑息な「手口」

オーストラリア人ジャーナリストのディラン・ハワード氏(右)から訴えられている、報道レポーターのローナン・ファロー氏(左)(Photo by Chris Pizzello/Invision/AP/Shutterstock, ugene Gologursky/Getty Images)

巨大タブロイド系出版社American Media社の重役ディラン・ハワード氏は、MeToo暴露本『Catch and Kill: Lies, Spies, and a Conspiracy to Protect Predator(原題)』の出版差し止めを求め、著者のローナン・ファロー氏と出版社Little Brown Book Group社を相手に訴訟を起こした。

本の紹介文によると、『Catch and Kill』は「ジャーナリストを脅迫し、説明責任から逃れ、虐待被害者の口をふさごうとする金と人脈のある男たちの監視と威嚇」の物語とのこと。

情報サイトDaily Beastによると、ハワード氏はニューヨーク、ロンドン、シドニーで弁護士を雇い、出版社および出版予定日の10月15日に店頭販売を予定している書店に対し、圧力をかける書簡を送っていたとされる。イギリスの書店チェーンHive Store社に送られた書簡でハワード氏の代理人は、『Catch and Kill』には同氏に関する「虚偽と中傷的な」内容が書かれている、と主張している。書簡には「我々は出版元のLittle Brown Book Group社に対し、書籍に攻撃的な内容が含まれる場合には適切な法的措置に訴えるよう指示を受けている旨を通達いたしました」と書かれており、書店に対して「我々の依頼人に対する攻撃的な記述のある本は、流通前に御社が取り除くべき」と勧告している。

Translated by Akiko Kato

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