FTISLANDイ・ジェジンが語る、新たな挑戦「兵役に行く前の今しかない」

FTISLANDイ・ジェジン(Photo by Mao Nakazawa)

「K-POP」の世界で珍しくバンドスタイルを貫いているFTISLAND。10月9日に、ベースを担当しているイ・ジェジンが初のソロアルバムをリリースする。兵役に行く前に「ソロをやるなら今」と決心をしたという。来日中のジェジンがローリングストーン ジャパンのインタビューに応じてくれた。

韓国は世界髄一の超アイドル大国だ。鮮烈で個性的なヘアメイクやコスチュームに身を固め、一糸乱れぬ群舞を得意とするいわゆる「K-POP」なチームが約300組ほど常に凌ぎを削る戦国時代さながらのサバイバルゲームが続いているが、それとは一線を画し、きわめてオーセンティックなバンドスタイルでロック ポップスと向き合い続ける青年たちがいる。それがFTISLANDだ。2010年にメジャーデビューを果たして約10年、圧倒的な存在感を放つフロントマン、イ・ホンギの傍らを担うベーシスト、それが今回フィーチャーするイ・ジェジンだ。愛らしい顔立ちと華奢なたたずまいからは想像もつかないほどの骨太なサウンドを叩き出すFTISLANDの大黒柱が、初のソロアルバム『scene.27』をドロップする。通訳を介さない流暢な日本語で、ローリングストーン誌のインタビューに真摯に答えてくれた。

―FTISLANDイ・ホンギさんに続くソロデビューですが、自ら立候補したのですか?

実は数年前から、会社からは「ソロ、やってみたらどう?」という提案を受けてはいたのですが、FTISLANDに専念したかったので、アイデアだけ保留していたんです。でも、9月末のホンギ兄さんの入隊に合わせてFTISLANDも一旦休止になってしまうし、僕も兄さんに続いてすぐに(軍隊に)行かなきゃいけない。(兵役を)終えて帰ってきたらすぐにまたFTISLANDの活動に専念したいので「ソロをやるなら今だな」と。ソロをやってから行かないと、僕自身が一歩進む機会はもうないのかもしれないと思って「頑張るから、一緒に作りましょう!」と僕から会社に改めてオファーしました。

―ついに長い間温めた念願が叶った感じですね。

そうですね。でも、企画当初はソロでどういう音楽をやるかまったく決めていなくて…というのもこれは言い訳じみていてイヤなのですが、僕ら本当に忙しくて時間がないんです(笑)! 常にめちゃくちゃたくさんの曲を作りながらカムバックして、メディアに出て、韓国や日本はもちろん世界中でライブをしなきゃいけない。自分のための曲を考えたり作ったりする時間があまりなかったんです。でも、今回は会社にもすごく協力してもらって、なんとか形にすることができました(パチパチと自分で自分に拍手)。


Photo by Seitaro Tanaka / Masahiro Yamada

―自分自身、最も表現したかったことは何ですか?

僕は何をやってもまず“FTISLANDらしさ”を真っ先に考えちゃうし、つい出しちゃうんです。これまでの青春をすべてFTISLANDに捧げてきたから。自分の視点で作ったメロディーや歌詞を提案して、個性の強いほかのメンバー(イ・ホンギ(Vo.)、ソン・スンヒョン(Gt.)、チェ・ミンファン(Dr.))と主張をぶつけ合うのが常です。だから、自分のことを正直にソロとして表現するとしたら、逆手をとって「ほかの人から見たイ・ジェジンらしさ」を作品にするのがベストなんじゃないかと思いました。僕にいつもインスピレーションをくれる人たち…メンバー、ファンのみなさん、家族、スタッフ、同じ会社の先輩や後輩、友人たち、周囲の大切な人たちが思うイ・ジェジン像をあぶり出そうと、それこそいろいろな人に僕の印象を聞きまくってさまざまなコメントをもらい、それを楽曲に反映させたんです。

Interview & Text: Asami Okishima

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