幼児による電子タバコの誤飲が米国で急増中

カンザス大学病院中毒管理センターの職員によると、乳幼児が電子タバコ用リキッドやカートリッジを誤飲または触っていたという保護者からの電話が、この3週間で9件も寄せられたという。(Photo by MaryCaroline/Shutterstock)

中毒管理センターの報告によると、米国内で幼児によるポッド型電子タバコ(ベイプ)の誤飲が急増中だ。

全米で12人が死亡、800人以上の入院が確認されたベイプ中毒に対する捜査が進められている中、こうした危機の原因究明が急ピッチで行われている。と同時に、ベイプの使用に直接関係しているわけではないものの、それに付随した問題への懸念も持ち上がっている。その最新の例がカンザス州のABC系列放送局KMBC TVの報道だ。それによると、幼い子供が電子タバコのカートリッジや液体ニコチンのボトルを誤飲するという例が相次いで報告されているという。

カンザス大学病院中毒管理センターの職員によると、乳幼児が電子タバコ用リキッドやカートリッジを誤飲または触っていたという保護者からの電話が、この3週間で9件も寄せられたという。「保護者の電話は、『うちの子がベイプ製品を手に持っていた』とか、『子供がポッド型電子タバコを口に入れているのを目撃した』というものです。実際のところ、ベイプ絡みの肺疾患件数と並んで、そうした電話も増えています」と言うのは、カンザス大学病院中毒管理センターの臨床毒理学者エリザベス・シルバー博士。TV局の取材でこう語った。「実際に誤飲した子供もいました。小さなポッドの中にニコチンが高濃度で濃縮されていますから、毒性が非常に高いんです」(誤解のないように言っておくと、こうした現象はティーンエイジャーがYouTubeの閲覧数をあげるために意図的に液体ニコチンを飲むのとは異なる――こうしたことも実際には起きているようだが、メディアで騒がれているよりはずっと少ない)

Translated by Akiko Kato

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