米国最大級の電子タバコ偽造団、主犯格の兄弟を手助けしていたのは43歳の母親だった

コートニー・ハフィンズ(43歳)は、麻薬取引所の管理所有、流通目的での麻薬所持、および身分証明書の不正利用で逮捕された(Courtesy of Kenosha County Sheriff’s Department)

大麻の主成分の一つであるTHC(テトラヒドロカンナビノール)入り偽造電子タバコの巨大組織を運営していた罪に問われている兄弟の母親が、米現地時間9月30日にウィスコンシン州で逮捕された。米ABC系列の地元TV局WISN 2が報じた。

コートニー・ハフィンズ(43歳)は、麻薬取引所の管理所有、流通目的での麻薬所持、および身分証明書の不正利用で逮捕された。現在はケノーシャ郡拘置所に勾留中。保釈金は10万ドルに設定された。

ハフィンズが勾留された数週間前には、2人の息子タイラー(20歳)とジェイコブ(23歳)が逮捕されている。2人の罪状はそれぞれ異なり、偽造団の首謀者とみられるタイラーは麻薬密売所の管理、身元詐称、製造および流通目的による10キロ超のTHC所持で、兄のジェイコブは(すでにコカイン取引で保護観察中)コカイン、THCおよび銃器所持で起訴された。

検察の主張によると、コートニー・ハフィンズはさまざまな形で息子の偽造商売を幇助していたようだ。タイラーが偽造団の活動拠点として借りたとみられるウィスコンシン州ブリストルのコンドミニアム賃貸契約にも手を貸した疑いがもたれている(タイラーはこの物件を偽名で借りていたもよう)。また警察当局は、母親の逮捕直前まで、ハフィンズ一家が彼女の不動産会社のオフィスで電子タバコ用のTHCカートリッジを包装していたことを突き止めた。

「その頃には、THCオイルはすべて消えていましたが、箱やらなにやら、ブリストルのマンションにあったものが全て母親の事務所の裏にありました」と、ケノーシャ郡のデヴィッド・ベス保安官は言った。

さらに警察は、コートニーと息子達との間で交わされた犯罪絡みと思しき携帯メールも発見したようだ。その中には、「そうだ、誰かコーヒーを片付けて、ガレージに秤をしまってくれない?」という8月のメールも含まれていた。

ハフィンズ兄弟逮捕につながった9月の手入れで、警察は150万ドル相当のTHCカートリッジを押収。パドック・レイクにある一家の自宅からは、5万9000ドルの現金と8丁の銃器、弾薬、コカイン、マリファナ、ザナックス、携帯電話9台、それに各種麻薬用具が発見された。警察の見解では、ハフィンズ兄弟の下で少なくとも10人が働いていて、警察の間では国内最大のTHC入り電子タバコ偽造団とみている。

9月に行われたタイラー・ハフィンズの第1回出廷で、彼の弁護を担当するマーク・リチャーズ氏は、アメリカ36州と1準州で12人が死亡し400人が健康被害に遭った電子タバコ絡みの健康問題と、依頼人を結びつける証拠は何もないと主張した。食品医薬品局は現在ハフィンズ兄弟の製品を検査し、これら被害や死亡との何らかの関係性の有無を調べている。

Translated by Akiko Kato

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