米民主党候補アンドリュー・ヤン、自身最高額の資金調達に成功

ネットでの盛り上がりを利用した選挙キャンペーン

ヤンの選挙キャンペーンの目玉は、彼自身が「自由の分配(Freedom Dividend)」と呼ぶ最低所得保障制度(ユニバーサル・ベーシック・インカム)だ。彼は、希望する全ての米国民に対する月1000ドル(約10万7000円)の支給を公約に掲げるなど、他の民主党候補者とは毛色の違った政策案を掲げている。彼は、オートメーション化と人工知能(AI)を2大驚異だと主張している。過去数十年間に製造業で起きたように、オートメーション化とロボットの導入がトラック輸送、コールセンター、ファストフード、小売りなどの業界でも多くの雇用を奪ってしまう、と彼は懸念している。「私たちは、経済とテクノロジーにおける米国史上最大の転換期の3イニング目に入っている」と彼は言う。

これまでのところ彼のメッセージは、ヤン・ギャングと称するテック寄りのネット上の支持者を主体に受けている。ヤン・ギャングはReddit、Basecamp、Discordなどのネット上のプラットフォームでコミュニティを形成し、ヤンを支持する話題や動画、口コミを拡散している。また彼らは躊躇せずに、ヤンへの批判的な意見に対する不満の声も上げる。

ここまでヤンの選挙キャンペーンはネットでの盛り上がりを上手く利用して、テレフォンバンキング、オンライン寄付、個別訪問などを展開し、リアルな支持へと結びつけてきている。また、ボランティア専用のSlackチャンネルも開設している。ヤンの選挙陣営幹部は最近のスタッフ会議で、同チャンネル上のアクティブなボランティア数が1万人を超えたことを明らかにした。

陣営幹部のニック・ライアンはローリングストーン誌との最近のインタヴューで、彼の陣営はテキサス州選出の元下院議員ロン・ポールのように、ただ珍しいだけの門外漢にはなりたくないと話す。「私たちはまずミルウォーキー州(の民主党全国大会)、そしてその先を目指しています」とライアンは言う。

Translated by Smokva Tokyo

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE