30万人のアメリカ人が犠牲に オピオイド対策を怠った麻薬取締局

司法局観監察総監が、麻薬取締局のオピオイド機器対策に関する報告書を発表(Photo by Mark Lennihan/AP/Shutterstock)

何十年にも及ぶ危機的流行を防ぐべく、麻薬取締局はもっと手が打てたはずだ、とアメリカ合衆国司法局の見解。

オピオイドの過剰摂取による死亡件数は過去20年間増加の一途をたどっている。司法省監察総監の評価報告書によると、30万人のアメリカ人がこの薬物の犠牲となった。さらに報告書によると、過剰摂取により死亡するアメリカ人がますます増加していたにも関わらず、麻薬取締局(DEA)は鎮痛剤の増産を認可し、問題に対する適切な措置を怠った。

「我々の調査により、高まりつつあった「国民の健康」危機に対してDEAの対応が遅れたこと、より効果的な規制や取り締まりに努めることができたはずだったことが判明しました」と、司法省のマイケル・E・ホロウィッツ監察総監は報告書と併せて公開された動画で述べた。さらに彼は、オピオイドが危険であるにも関わらず、DEAはオキシコドンの製造割り当て量の引き上げを承認。その結果、製造量は2002年から2013年の間に400%も増加した。2017年になって、DEAはようやくオキシコドンの製造を25%減少したと同氏は述べた。

食品医薬品局はPurdue Pharma社のオキシコンティンを1996年に承認。営業担当者によれば、依存症になる可能性は「1%未満」という触れ込みだった。さらにPurdue社は帽子やぬいぐるみ、マグといった販促ノベルティや、無料サンプルも大量に配りまくっていた。2003年の処方薬に関する報告書によると、2000年ごろからこの薬物を粉末状にして、吸引したり注射する傾向が見られ始めた。2010年ごろにPurdue社が改良を加えると――押しつぶすとゼリー状になるようにした――人々はほぼ同じ価格で同じ効果が得られるヘロインに転向するようになった。以来、危機はますます悪化している。

Translated by Akiko Kato

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