トム・ヨークが米人気番組に出演、EU離脱、夢、新作について語る

米人気番組『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』に出演したトム・ヨーク

トム・ヨークが米人気番組『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』に出演。「僕たちは変な時代を生きてる」と、英国の欧州連合離脱、夢、新作『アニマ』について語った。

米現地時間10月2日深夜、珍しくもトム・ヨークが米人気トーク番組『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』にゲストとして出演した。英国の欧州連合離脱(通称:ブレグジット)からニューアルバム『アニマ』、さらには夢の重要性など、レディオヘッドのフロントマンが様々な話題に触れた。

2011年にレディオヘッドがテレビ番組『コルベア・レポート』の1時間特番にゲスト出演を果たして以来、アメリカの人気深夜番組から遠ざかっていたヨークは、当時コルベアが番組で演じていた“ガチガチの右寄り政治コメンテーター”というキャラクターを振り返った。「私が演じていたキャラは、レディオヘッドが何者か知らなかった」とコルベアはジョークを飛ばした。

本当のところ、コルベアはトム・ヨークが何者であるか、しっかり心得ている。というのも、コルベアの息子たちは“熱狂的な”ヨークファンなのだ。息子たちは、番組中に父に訊いてもらいたい質問をいくつもリストアップした。唯一父親が採用したのはなんと、「お気に入りのR.E.M.の曲は?」という質問。それに対し、「So. Central Rain」とヨークは回答した。

続いてコルベアは、レディオヘッドの音楽と不安に取りつかれたようなヨークの歌詞が現在の政治的展望を予測するかのように暗示的だったことについて言及した。「予測が的中するのはどんな気分?」とコルベアが質問した。

「未来のことは考えていなかったと思う。僕は、当時起きていたことを見ていただけなんだ。それがだんだんとあからさまになっていった」とヨークは言った。「いまではもっとオープンになったけど、僕が語っていたことは、当時から僕はすでに感じていた。アルバム『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』を制作したときも、状況はかなり悪いように思えた。ブッシュ・ジュニアが大統領になった時代だ。そして、いまはこんな状況だ」

するとヨークはコルベアと番組視聴者のためにブレグジットをわかりやすく解説し、ヨーク曰く「将来、ナイトの称号がもらえなくなるくらい」ジョン・ボリソン英首相を厳しく批判した。「僕たちは変な時代を生きてる」とヨークはつけ加えた。「でも、僕のせいじゃない」。

続いてヨークは“アニマ”という言葉の意味について語った。アニマは、ヨークの最新ソロアルバムのタイトルでもある。「小さな魂」や「夢遊状態」など、ユング心理学的には様々な意味がある、とヨークは解説した。イタリア語では「魂」を指すそうだ。

ふたりの会話は、ヨークが人間にとっての夢の重要性を説くところで終了。「『Why We Sleep(なぜ私たちは眠るのか?)』という本を読んでいて、夢が他者、社会、身の回りの出来事と自分を結びつけてくれるうえで重要な役割を果たす、と知ってすごい! と思ったんだ。僕たちは、夢を見ないと他者と正しくつながることができない」とヨークは言った。「夢は、僕たちが人間として生きるための基礎として大切なんだ。自分でもよくわからないけど、アルバム制作中にものすごくのめり込んでしまった」。

現在、ヨークはニューアルバム『アニマ』を携えて北米ツアー中だ。

Translated by Shoko Natori

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