グレイトフル・デッド、必聴アルバムガイド

ボブ・ウィアー、ミッキー・ハート、ジェリー・ガルシア、フィル・レッシュ 1968年撮影 Malcolm Lubliner/Michael Ochs Archives/Getty Images


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よりディープに:『フロム・ザ・マーズ・ホテル』(1974年)
本作の最大の特徴は、ベースの魔術師で(不真面目な生徒だったものの)クラシック音楽の素養もあるレッシュが、宇宙船を思わせるシンセサウンドが魅力のトリッピーな「アンブロークン・チェイン」と、豪快な「プライド・オブ・キュカモンガ」の2曲で作曲とヴォーカルを務めていることだ。スカートの裾を翻すかのような軽快さが印象的な「深紅のベゴニア」も秀逸。ウォーターゲート事件にインスパイアされた「U.S.ブルース」の訴求力は今なお衰えておらず、影のある「シップ・オブ・フールズ」は、エルヴィス・コステロが後にソウルフルなカヴァーを披露している。

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よりディープに:『イン・ザ・ダーク』(1987年)
デッドがAristaと契約した背景には、バンドが「セルアウトする」という前提があったが、包み込むような「タッチ・オブ・グレイ」でその狙いは見事に当たった。作品全編に渡ってソングライティングの質が高く、中でもハンターとガルシアが共作したスローなバラード「ブラック・マディ・リヴァー」が突出している。山、月、星、太陽、水面の波紋、そして「夏の終わりを告げる薔薇」という、デッドを象徴するキーワードが数多く登場するこの曲では、ハンターにつきまとう悪夢の中身を垣間見ることができる。

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よりディープに:『Cornell 5/8/77』(2017年)
『Dick’s Picks』『Dave’s Picks』『From the Vault』等、デッドのアーカイブ音源にはどれも独自の魅力がある。本作の音源はブートレグとして長く出回っていたが、ニューヨーク州イサカで行われたこのコンサートはデッド史上最高との呼び声も高い。目玉については意見が分かれるが、自己犠牲をテーマとする「深紅のベゴニア〜Fire on the Mountain」か、大空へ羽ばたく不死鳥を思わせる「モーニング・デュウ」がその候補であることは確かだ。

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おまけ:「Bird Song」(『Garcia』 1972年)
ガルシアのソロデビュー作に収録された、ジャニス・ジョップリンを讃えるこの曲にバンドのメンバーは参加していないが、後にデッドのライブにおける定番曲となる。

Translated by Masaaki Yoshida

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