グレイトフル・デッド、必聴アルバムガイド

ボブ・ウィアー、ミッキー・ハート、ジェリー・ガルシア、フィル・レッシュ 1968年撮影 Malcolm Lubliner/Michael Ochs Archives/Getty Images


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必聴:『ヨーロッパ’72』(1972年)
ライブバンドとして不動の名声を確立したデッドは、17トラックのモバイルスタジオを携えてヨーロッパへと渡った。その結果誕生したのが、この超レアな極上の3枚組アルバムだ。アレンジが施された定番曲(爆発的な「モーニング・デュウ」、「チャイナ・キャット・サンフラワー」と「アイ・ノウ・ユー・ライダー」の模範的メドレー等)、文句なしの出来栄えの新曲群(「ジャック・ストロウ」「ヒーズ・ゴーン」)等、即興ならではのスリル感が宿った名演の数々がスタジオアルバム並みの音質で収録されている。また本作は、かつてのハードなサイケデリック・ブルースからダンシング・ベアのイメージに沿ったより穏やかなサウンドへと移行していく、過度期のバンドの姿を捉えている。

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こちらもチェック:『太陽の讃歌』(1968年)
デビューアルバムとなる本作で、彼らはライブにおける爆発的エネルギーをテープに収めようと試みた。メリー・プランクスターズのバス運転手だったNeal Cassadyに捧げられた叙事詩「ザッツ・イット・フォー・ジ・アザー・ワン」は、スタジオ録音とライブテイクのコラージュである本作のハイライトだ。終結部は後のビートルズの「レボリューション9」を彷彿とさせ、猛り狂う中間部はライブにおける定番となった。またカズー(おもちゃの笛)が印象的な「アリゲーター」では、ピッグペンによるエレクトリック・ブルースと、他のメンバーたちのジャジーなフィーリングが正面からぶつかり合い、翌年にデビューアルバムをリリースするオールマン・ブラザーズを連想させる。

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こちらもチェック:『アオクソモクソア』(1969年)
サンフランシスコのシーンが盛り上がりを見せ始めた直後にレコーディングされ、LSDによるトリップ体験を凝縮したかのような本作は、デッドが最も実験的だった時期に残された傑作だ。眩いほどの輝きを放つ各面の冒頭曲「セント・ステファン」「チャイナ・キャット・サンフラワー」から、それぞれのフィナーレを飾るダークな「マウンテンズ・オブ・ザ・ムーン」「ホワッツ・ビカム・オブ・ザ・ベイビー」まで、当時としては画期的だった16トラックレコーダーで録音された本作では、ハンターの冒険心と茶目っ気が存分に発揮されている。ロック史に堂々と名を残す、問答無用の傑作だ。

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こちらもチェック:『グレイトフル・デッド』(1971年)
「Skull and Roses」または「Skull-Fuck」とも呼ばれるこのライブ盤では、作品化にあたってオーバーダブがなされており、快活な「バーサ」や、高潔な魂を持った物乞いの嘆きを歌った「ウォーフ・ラット」等、正式にスタジオ録音されなかった曲群が収録されている。本作以降「ジ・アザー・ワン」や、「ノット・フェイド・アウェイ~ゴーイン・ダウン・ザ・ロード・フィーリング・バッド」といったカバー曲のメドレーは、ライブにおけるジャムセッションの見せ場として定着した。スタンリー・マウスによるアートワークは、史上最高のアルバムカヴァーのひとつとして認知されている。

Translated by Masaaki Yoshida

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