独占|テイラー・スウィフト、ローリングストーン誌インタビュー|完全翻訳版

米ローリングストーン誌の表紙を飾ったテイラー・スウィフト(Erik Madigan Heck for Rolling Stone)


ーあなたは以前、子供の時に母親から一度もお仕置きされたことがないと言っていました。自分で自分を罰するからだ、と。批判されたら変えるという考え方と、承認欲求――つまり、いい子でいようということ? まあ何であれ、それがあなたの人生の原動力になっているようにも思えます。

そうね、確かにあなたの言うことにも一理あるわね。私が抱えていた疑問は、もし自分が良いことをし続けて、でも周りから批判的に見られて、裏があるとか下心があるとか言われたら、それでも良いことをしただろうか? 自分のしたことが良いことだとみてもらえなくても? 答えはイエス。建設的な批判は私の人格形成の役に立つけど、根拠のない批判はすぐに捨てるべきよ。

ーそれは健全的ですね。セラピーの教えですか、それとも経験から学んだことですか?

いいえ、私はセラピーに行ったことがないの。母にはよく話すわ。母はなんでもお見通しなの。29年間の人生について打ち明けられる人を探しているけど、母は全部知ってる。私の状況を全て把握してるのよ。話をすると止まらないわ。本当に本当に荒れてた時期があって、電話で何時間もずっと話した時もあった。言いたいことを紙に書いて、壁に貼る代わりに、母に向かって読み上げるのよ。

ーそのことは「デイライト」の歌詞にもつながっている気がします。「あまりに何度も、許せない一線を越えてきた」というような――あれもまたひとつの告白ですよね。

あなたがあの歌詞を気に入ってくれて、本当にうれしいわ。あれは私も気になってたところなの。人生を振り返って、たとえそれ何であれ、自分がしくじったことを認めるわけだから。昔知り合いだったけど、今ではもう何の関わりもない人もいるし――自分ではどうしようもできない事柄もある。元には戻せないし、変えることもできない。昨夜ファンにも言ったんだけど、私は人生最悪の時期に、人生がゴミの山で、悪いゴシップとか悪い出来事とか、私が犯したミスや、陳腐な言葉や、噂や、この15年間世間から見られてきたことばかりが山積みになってる気がしたの。「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」のミュージックビデオでも、私が文字通り昔の自分の大軍と戦うシーンが出てくるの。

でも、そうね、あの歌詞は私の不安を表しているわ。人生ではすべてを元に戻すことはできないんだって。人は何度も間違った選択や、間違った決断をする。間違ったことも言う。自分ではそんなつもりがなくても、人を傷つける。それをどう取り返せばいいか分からないのよ。29年分となるとなおさらね。

ーローリングストーン誌としてちょっと蘊蓄をたれますと、スプリングスティーンの歌詞にこんなのがあります。「誰もこの世界を逃れられないんだぜ、バディ/シャツの裾を汚すか、ちっとばかり手を血で染めるかしない限り」

それすごくいい! かすり傷ひとつ負わずに済む人は誰もいない、誰も無傷で切り抜けることはできない。多くの人には理解しがたいかもしれないわね。私も昔はそうだったと思う。「自分がいい子にして、正しいことをしていれば、多分全て完璧にこなせるはず」って思って育ってきたから。でも実際はそういかないの。

ーそういう意味で「アイ・ディド・サムシング・バッド」を見ると面白いですね。

面白いところを突いてくるわね。それは私がこの数年、自分の中で折り合いをつけなきゃと思ってたことなのよ――いわゆる「いい意味で」のコンプレックスね。私は子供のころから、親切でいよう、いい人間でいようとしてきた。すごく努力したわ。でも、時には踏み台にされることもある。踏み台にされたときにどう反応するべきか? ただ座って、サラダを食べて、指をくわえて待ってるわけにはいかないわ。「アイ・ディド・サムシング・バッド」は、ふだんは絶対やらないことをやってしまった歌だった。ケイティ(・ペリー)と一緒に星座占いについて話したんだけど……(笑)。そうなのよ、本当よ。

ーいままでで最高のフレーズですね。

(笑)やだもう! 私たちが星座占いの話題になったのは、私たち心が通い合って、本当にずーーーっとしゃべりまくってたから。長い長いおしゃべりの時に、彼女がこう言ったの。「もし今グラスに白ワインがあったら、2人とも泣いてたわね」 2人ともその時お茶を飲んでたから。本当にすごくいい会話だった。

昔、人とうまくコミュニケーションができなかった話もしたわ。私たち2人の間だけじゃなくてね。彼女が「私はさそり座なのよね。さそり座って、追い詰められるとひたすら反撃するのよ」って言い出して、「ふうん、私はいて座だから、文字通り起き上がって、状況を把握して、頭の中を整理して、弓を構えて、引いて、射るの」って。痛みや混乱、誤解に対する処理の仕方がまったく違うのよ。私の場合、自分が傷ついたと感じたり、傷ついたと口にするまでに時間がかかることがしょっちゅうあるの。わかるかしら? 周りの人々が、「ああそうか、君がそう感じているなんて知らなかったよ」っていうのも理解できるわ。私自身が一瞬考えちゃうんだもの。

2009年のVMAの映像を見ると、文字通り私は固まっちゃうの。立ち尽くしちゃう。それが私なりの不快や痛みへの対処法なのね。立ちつくして、固まる。それから5分後に、ようやく自分の気持ちが把握できる。でも瞬間的に過剰反応しちゃってるかも。お行儀よくしなきゃね。それから頭の中を整理して、5分後にきれいさっぱり忘れてたら、もう過去のこと。「過剰反応したけど万事OKよ。もう大丈夫。一瞬ヒドイこと言わなくてよかった」ってなるわけ。でも本当に悪いことが起きて、本当に本当に傷ついたりムカついたりしたときは事実にすごくこだわる。全力で相手をやりこめようとしちゃうの。「多分、あなたはこう思ってないでしょ」って。この点はなんとかしなくちゃね。

ー自分で自分に暗示をかけるみたいですね。

そうなのよ、まさに。私が思ったことをそのまま口に出したら、周りが「えっ!」ていう状況があまりにもたくさんあったものだから。多分私が悪いことを口走ったか、攻撃的だったんでしょうね。実は2年前から、自分の感情に瞬時に対応しようと努力し始めたのよ。すごく役に立ったわ。時々議論になった時なんかはとくに助かった。でも一瞬混乱するほうが、白黒はっきりさせるよりもずっとマシよね。

ーありがとうございました。

なんだかセラピーを受けたみたいな気分よ。セラピーを受けたことのない人間としては、今までで最高のセラピーだと言っても差支えないわね。

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE