独占|テイラー・スウィフト、ローリングストーン誌インタビュー|完全翻訳版

米ローリングストーン誌の表紙を飾ったテイラー・スウィフト(Erik Madigan Heck for Rolling Stone)


ー答えにくい質問かもしれませんが、『ゲーム・オブ・スローンズ』の超大ファンとして、あの最終回をどう思いましたか?

ああ、なんてこと。ずっとそのことを考えているの。人間の脳は生物学上、好きなTV番組の最終回では恋人の別れ話みたいな反応をするんですって。どこかで読んだことがあるわ。終わらせること自体よくないのよ。たとえ最終回がどんな顛末になろうとも、みんなこれで終わりだっていう事実だけで十分混乱するんだもの。

ー「名前のリスト」についての歌詞が、アリアのことだとあなたの口から聞けて嬉しかったです。

映画やTV番組や本からインスパイアされるのが好きね。キャラクターを膨らませて書くのも大好き。それに私の人生も全部が全部、TV番組や映画のキャラクターほど入り組んだものじゃないし。

ーそういうときもあったでしょう。

それもびっくりよね。

ーでも、あなた自身の生活が前ほどドラマチックではなくなったために、他から着想を得なくてはならなくなった、ということですか?

まだそういう風には考えてないわ。多分、家族を持ったらそういう感じになるかもしれないけど。仮に家族を持ったら、の話だけど。[間をおいて]なんでこんなこと言ったのかしら! でも他のアーティストから聞いた話だけど、プライベートをガードするようになったら、よそからインスピレーションを引き出さなくちゃならなくなったって言ってたわ。それにしても、なんであんなこと言っちゃったのかしら。自分の人生がこの先どうなるか、何をするかなんてわからないのに。でも今は、かつてないほどスムーズに曲が書けるようになった気がするわ。

ー恋愛について言葉ではあまり語りませんが、歌では事細かく、大胆にさらけ出しています。あなたの中で両者に違いはあるんですか?

歌うほうが感情を正確に表現しやすいわね。どんな感情であれ、カギカッコにして言葉に置き換えることはできないし、言葉と音で感情を完璧に表現したものを聴いた時はやっぱり感動のしかたが違う……それが私小説的な作曲家のジレンマね。それこそ10年前に、こんな奇妙なポップカルチャーに身を投じてしまったわけだから。

ー世間は誰のことを歌った曲かに興味を持ちすぎる、と言っていたのを記憶していますが――公平を期すために言えば、このゲームにはあなたも参戦していませんでしたっけ?

ずいぶん前に気づいたのよ、どんなことであろうと、自分の身にも起こるだろうなって。ルールを把握した上で、その影響も踏まえた上でゲームをするなら、ゲーム盤を眺めて戦略を練るべき。でも同時に、私の人生では曲を書くことは戦略的なことでも何でもないのよ。今では音楽人生の他のこと、たとえばアルバムのマーケティング法とかはしっかり戦略的だと、堂々と言えるようになったわ。自分には戦略的なビジネスマインドがある、と女性が口にできないのは嫌ね。だって、男性アーティストならOKなんだもの。自分はビジネスに関わってませんってフリをするのはもう勘弁、うんざりだわ。それは曲を作る時とは違う思考回路なのよ。

ーあなたは10代の時からビジネスで手腕を発揮してましたよね。

ええ。でも、ものすごく大変だったのよ――これも後悔していることのひとつだけど――自分がマーケティングの手綱を握っているわけじゃないって周りに思い込ませるのは。事実、会議室に週何日も通い詰めていろいろアイデアを練ってたのは私なんだけどね。ハッピーで、才能ある稀有な女性は、音楽業界ではお呼びでないという気がずっとしてたの。女性はみんな「ああ、悔しい、まただわ! それでもやってやるわ! そうね、それがいいわ」という思いを強いられてきた。ワールドカップでゴールを決めたアレックス・モーガンが大喜びして、周りから叩かれたのがいい例よね。私たち女性はハメを外したり大喜びしたり、「ええ、そうです私です、私がこれを思いついたんです」って主張しちゃいけないの。全然フェアじゃないわよね。新しい女性アーティストが人気なのは、彼女たちが女性の成功を表現することができるから。ずいぶん楽になったわ。『ゲーム・オブ・スローンズ』の最終回もそうよ。私はとくにデナーリスの物語に親近感を感じるの。女性は権力を手にするほうが、それを維持するよりもずっと楽だということを描写していると思うから。



2018年6月、ウェンブリースタジアムにて 写真提供:Gareth Cattermole/TAS18/Getty Images

ーでも彼女はー殺人を犯しましたよね……。

完全にもののたとえだって! そりゃ私だって、デナーリスにあんな風になってほしくなかったわ。でも私なりに解釈したことを言うと、彼女が権力の頂点に立つまでを描いたのは、維持するよりもずっと楽だったからじゃないかなって思ったの。だって私の場合、頭がおかしくなりそうだったのは、キャリアを上り詰めた時と同じやり方でそれを維持しようとした時だったから。権力を得るほうが、維持するのよりもずっと楽。昇りつめるほうが死守するよりも簡単だし、注目を集めるほうがキープするよりも簡単なの。

ーということは2016年あなたにドラゴンがいなくて喜ぶべきなんでしょうね……。

[力をこめて]だから言ったでしょ、彼女があんなことしたのは私も嫌だって! でもね、ドラマを見てると、権力のある女性がどう扱われているかを反映していると思う。みんなでグルになって女性を陥れようとして、食ってかかって、最終的にはあの――あの狂気の域に追い込んでしまう。「何があったのかしら?」って不思議に思うような。私もいままで60回ぐらいそういうことがあったわ。「去年までは好かれてたのに、何が違うの? 私が変われば、またみんなを楽しませてあげられるのかしら」って。

Translated by Akiko Kato

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