独占|テイラー・スウィフト、ローリングストーン誌インタビュー|完全翻訳版

米ローリングストーン誌の表紙を飾ったテイラー・スウィフト(Erik Madigan Heck for Rolling Stone)


当然、彼女は音楽について語りたがったが、過去3年間の出来事についても今回初めて口を開き、事細かに釈明するつもりでいた。会話が重くなることもしばしばだった。この数年間で彼女は前よりガードを固めたが、依然としてポーカーフェイスとは正反対――質問に思いをめぐらせながら、鼻にしわをよせて“昔ながらのポップスター”という表現に冷笑気味に反論したり、暗い話題になると途方もなく青い瞳をうるませたりと、かすかな感情の波が彼女の顔に浮かぶのが見て取れる。本人曰く、最悪な状態のときは「完全に激流に飲まれた感じ。そんな時どうする? じたばたあがくか、それとも息を止めてなんとか水面に上がろうとするか? 私がしたのも、まさにそれ。3年かかったけどね。ここでこうしてインタビューを受けているのも――前にもインタビューを受けたことがあるからこそ、全身冷や汗をかかずに済んでるのよ」。

ー7年前にインタビューした時、あなたにとってすべてが順風満帆でしたが、本人はいつか上手くいかなくなるんじゃないかとすごく心配していましたね。

そうなの、そうなるだろうって何となくわかってたのよ。いつかはでこぼこ道になって、きっとつまずくだろうって思いながら歩道を歩いてた感じ。ずっと勝ち組でいることはできないし、周りもそれを望まない。みんな“新しモノ好き”なのよ――周りから担ぎあげられて、しばらく旗振り役をつとめるでしょ。すると周りは、「待てよ、こっちの新しい旗のほうが本当は好きなんだよね」ってなるの。私のやってることは間違ってる、本来やるべきことをやってないってって決めつけられちゃう。悪いお手本だって。それでも音楽を続けて、なんとか生き残って、周りとの繋がりを保っていると、結局また周りから担ぎあげられて、また引きずりおろされて、また担ぎあげられる。音楽業界の場合、男性よりもとくに女性にこういうことが多いわね。

ーあなたも何度か、小規模ですが、こういうことがありましたよね?

私もこれまでの人生で何度か事件があったわ。18歳の時、「なんだ、あの子が実際に曲を書いてるわけじゃないんだ」って言われた。だからそれに対抗して、3枚目のアルバムは自分で作曲したわ。そしたら今度は恋愛中毒――とっかえひっかえ彼氏を変える女――って決めつけられた。22歳の時よ。それで2年ぐらい、誰とも付き合わなかった。そしたら2016年に、私のすべてが完全におかしいって言われた。私が何か良いことをしても、裏があるんだろうって。勇気を出して行動すれば、やり方が間違ってるって。自己弁護すれば、癇癪を起してるって言われたの。気づいたら、一人でえんえんとバカみたいにわめいてるだけだった。私には2歳半年下の弟がいて、人生の前半はものすごく仲が悪くて、今は大親友なんだけど。ほら、子供がよくやる遊びがあるじゃない? 私が「ママ、お水もらっていい?」って言うと、オースティンが「ママ、お水もらっていい?」 私が「私の真似しないで!」って言うと、弟も「私の真似しないで!」ってやつ。いつもものすごく気に障るような声で、意地悪く言ってたわ。2016年はまさにそんな感じだった。だから何も言わないことに決めたの。決断したわけじゃなくて、完全に仕方なくだけど。

ーですが、同時にいいこともありましたよね――『レピュテーション』がらみで。

あのアルバムで私が真実を語ることができたのは「デリケート」「ニューイヤーズ・デイ」「コール・イット・ホワット・ユー・ウォント」「ドレス」かしらね。『レピュテーション』の決め技というか、上手いことしてやったという点は、あれが実はラブストーリーだったっていうことね。カオスの中のラブストーリー。武装したメタリックな戦いの歌はすべて、外の世界で起きていたこと。外で起きている戦いを私は窓から眺めていればよかった。それとは別に、私の中でも別のことが起きていたの。穏やかで、居心地のいい、新しい世界で、初めて自分の思い通りに物事が進んだの……おかしなものよね、だって人生最悪の時期、あえて言うなら評判も最悪な時期に、最高の時を過ごせたんだから。私自身が選んだ穏やかな生活を。たとえみんなから嫌われたとしても、私のことを気遣ってくれる友人と素晴らしい思い出を作ることもできた。悪いことは相当ヘビーだったし、ダメージも大きかった。でも、いいことはこの先もずっと続いていく。いい教訓だった。所詮、自分の人生を世間に示すことはできないってこと。

ーというと?

昔の私はゴールデンレトリバーみたいだった。みんなのところにすり寄って、しっぽを振って「わかったわ、ええ、もちろんよ! 何を知りたいの? 何が欲しいの?」って。今は、そうねえ、もう少しキツネみたいにずる賢くならなきゃいけないと思ってる。



米ローリングストーン誌のテイラー・スウィフト 
撮影:Erik Madigan Heck 衣装提供:Erden イヤリング:Jessica McCormack

ー“女の子集団”の認知のされ方があそこまで広がったことについては、後悔していますか?

ええ、まさか世間があんな風に考えるなんて想像もしてなかったわ。「仲間に入りたくても、入れてもらえない女子軍団」だなんて。とんでもない、岩で殴られたみたいにショックだった。「やだ、私が考えてたのとは違う方向に行っちゃった」って。私はただ、男性みたいにみんなで団結できたらいいな、って思ったの。男性社会では男同士が兄弟の誓いを結ぶことができるでしょう。男性アーティストの場合、他のアーティストに敬意を払っていると思われてるの。

ー 一方、女性は互いにいがみ合うのを期待されていると?

女性は互いに憎み合ってるって思われてる。にっこり笑って、肩を抱き合って一緒に写真を撮っても、ポケットにはナイフを忍ばせてるんだろうって。

ーそうした思考回路に陥ったことで、あなた自身どれほど危険でしたか?

メッセージの発信は危険ね。誰も無傷じゃいられないわ。だって私たちは社会や集団の産物で、いまやインターネットの言いなりなんだもの。経験から別のことを学ばない限りはね。

Translated by Akiko Kato

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