全米調査で300万人の女性、初体験はレイプだったと告白

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2011年から2017年の全米での調査で被験者女性16人のうち1人は初めての性的経験が"同意のないもの"だったことが発覚。統計サンプルに46歳以上の女性が含まれていたなら、この数値は「少なくとも2倍になるだろう」と研究担当者は発言する。

性暴力の横行の調査となると、まだまだ知られていないことがたくさんある。たとえば、性的暴行の報告件数が実際よりも少ないことはわかっているが、それがどの程度であるかは不明だ。それはとりわけ、性的暴行の“グレーゾーン”と呼ばれる、強制的なセックスやパートナーによるレイプにおいても言えることだ。だが、新たな研究が特定の性的暴行の横行に光を当てようとする一方、全体的な性暴力の発生頻度について私たちがどれだけ無知であるかを教えてくれる。

2011年から2017年にわたって18歳から45歳の米国の女性を調査した、米医学誌JAMA Internal Medicineの研究報告によると、調査を受けた女性のおよそ6%、つまり、16人のうちおよそひとりは、同意なしに初めて性的経験をしていた(研究はこれを「強制的な性的関係の開始」と呼ぶ)ことが発覚した。同意なしに初めて性的経験をした、と述べた女性のうち、56%は言葉でセックスを強要され、25%は暴力を受けていた。さらに、研究により、同意なしに初めて性的経験をしたと報告した女性は、排卵、月経、望まない形での初妊娠、薬物乱用などのトラブルをうったえる可能性が高いこともわかった。だが、この研究結果でもっとも衝撃的だったのは、女性たちの年齢だ。同意のない初体験を訴えた女性の当時の平均年齢は、なんと15歳だったのだ。

今回の研究の責任者であり、米マサチューセッツ州ケンブリッジのケンブリッジ・ヘルス・インスティテュートで主任研究員を務めるローラ・ホークス博士は、性暴力の横行に関する研究の少なさこそが今回の調査のきっかけだった、とインタビューで語った。「この数年間、アメリカにおける性暴力の横行に関する話題は増えましたが、既存の研究はかならずしも数的に十分な被験者を確保しているわけではなく、データはアメリカの実態を示すのに十分であるとは言えませんでした」と博士はローリングストーン誌に述べた。強制的な性的関係の開始と、それによって生じる健康被害との関係に限定すれば、1990年代にこの問題に取り組んだ事例があるものの、性的暴行のなかでも特にトラウマとなり得るケースのインパクトを調査したのは、今回の研究が初めてである、と博士は言う。

Translated by Shoko Natori

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