英国発4人組が語る「SNSを活用していない」ロックバンドがトップ10入りできた理由

Deaf Havana(Photo by ハギワラヒカル)



「何が流行ってるかとかは気にせずに、やりたいことをやり続ける」

―現在、マリリン・マンソンのカバー「The Fight Song」が配信されていますが、カバーとはいえ、初期とはまた違ったハードなナンバーです。これは今後の方向性を示していたりするんですか。

マシュー あの曲はROCK SOUNDっていうオルタナティブロックマガジン用にレコーディングしたものなんだよ。本当はもっと落ち着いたポップな曲をカバーしたかったんだけど、ヘビーな音楽を扱う雑誌だから選択肢がなくて。自分たちの好きに選べるならもっと違う曲にしてたと思う。だけど、いつもと全然違うことをやるのは楽しかったよ。

―じゃあ、今、カバーするとしたらどんな曲を選びますか?

トム ロビー・ウィリアムスの「Let Me Entertain You」かな。

ジェームス 俺は自分たちがこれまでやってこなかったような音楽をカバーしたいな。例えば、ビョークの「Hyperbalad」とか「Army of me」。ビョークならどれでもカバーしてみたい。

マシュー あとはアークティック・モンキーズかな。彼らの新作(『Tranquility Base Hotel & Casino』)はそこまでよくなかったから、自分たちでカバーしてよくしたい(笑)。

―常に新しい音にチャレンジしたいという気持ちが伝わってきます。

マシュー うん、そのほうが面白いからね。俺は飽きっぽいから、自分自身にとっても面白いものがいい。

―ところで、ジェームスとマシューは兄弟ですよね。マシューは後から加入してきましたが、このバンドを客観的に見てどう思いますか。

マシュー あ~。

トム 気をつけて発言しろよ(笑)。

マシュー 笑いの絶えない、いいバンドだよ(笑)。

―加入してからバンドの印象って変わりましたか。

マシュー 加入したとき自分はまだ若かったから、バンドがどうっていう以上に、音楽活動っていうもの自体がどういうものなのかよくわからなかったんだよね。地元の小さいバンドにはいたことあったんだけど。だから、このバンドに入ってみて初めて、ツアーがどういうものかっていうことも学んだんだ。

―『Rituals』は日本ではA-Sketchからリリースされています。邦楽のイメージが強いレーベルですが、彼らを選んだ理由は?

トム 彼らはすごく評判がよかったし、スタッフがいい人たちなんだよ。

ジェームス 彼らは俺たちのライブを観にわざわざイギリスまで来てくれたしね。他のレーベルはなかなかそんなことしてくれないよ。

―それはすごいですね。ONE OK ROCKとレーベルメイトになるわけですが、彼らの音楽は聴いたことありますか?

マシュー あるよ! カッコいいよね。

トム 俺たちの友達がONE OK ROCKのプロデュースをしたことがあるんだよ。

―そうだったんですね。ところで近年、世界的にロックの人気が落ちていますが、イギリスや他の国でもそういう変化を感じることはありますか?

マシュー イギリスでは確実にそうだね。ロックの勢いがなくなってしまったことでいいロックバンドが減ったし、昔からいるいいバンドもリリースを控えたりしているよ。

トム でも、音楽業界ってそういうもので、入れ替わりが激しいところだから、自分たちは何が流行ってるかとかは気にせずに、やりたいことをやり続けることしかできない。それに、人の好みのサイクルはまた戻ってくると思ってるよ。

―音楽業界の先行きを悲観してない?

トム 少しね。今は、音楽そのものよりもインスタグラムのほうが成功するために大事な要素になってるよね。すごく残念ことだけど。

マシュー そういう意味では俺たちはちょっと不利なんだよ。なぜなら、俺たちは他のロックバンドよりもちょっと年上で、インターネットの時代とともに生きてきたわけじゃない。だから、バンドの宣伝ツールとしてソーシャルメディアを活用していないんだよ。そういうものをうまく使う人は注目を浴びるし、それができない人は消えていってしまう。残念なことだよね。

―Deaf Havanaでうまく使おうとは思わないんですか。

トム やりたくないっていうよりも、やり方がわからないんだよ。忙しすぎるしね。

マシュー うまく言えないけど、自分の頭のなかにそれが存在していないというか。例えば、こうやって日本に来て、美味しいものを食べたりいい時間を過ごしたりしているけど、その間はそのことに夢中で、インターネットでそれをどう見せようかっていうことが浮かんでこないんだよね。

トム まあ、俺たちがもっとイケメンだったら「もっと使おう」っていう話にもなってたかもしれないけど、そうじゃないからやらないっていうのもあるね(笑)。

―でも、そういったツールを使わなくても、全英トップ10に作品を送り続けているわけで、それは純粋に音楽の力ですよね。

ジェームス それはそうだね!

―最後に、音楽と関係ない質問をさせてください。来年、東京オリンピックが開催されますが、ロンドンオリンピックを経験している立場から何か日本人にアドバイスできることはありますか?

トム 出勤時間とか、どこか店に行きたいときは、会場付近を避けるほうがいいよ。すごく時間がかかるから!

ジェームス 俺もオリンピック中は会場付近には近寄らなかったよ。街には観光客がいっぱいいるし。だから開催期間中はそこに行かないことだね。交通渋滞にハマるし、イライラするから、家でテレビでも観てな!


Photo by ハギワラヒカル

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『Rituals』
Deaf Havana
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