ナイト・レンジャーの大ヒット曲「シスター・クリスチャン」を振り返る

1983年撮影のナイト・レンジャー(Photo by Paul Natkin/Getty Images)

1stアルバム『ドーン・パトロール』、2ndアルバム『ミッドナイト・マッドネス』完全再現にベストヒットを加えたプレミアム・ライブを、2019年10月に日本で実施するナイト・レンジャー。後者のアルバムに収録された、ヘアメタル版「天国への階段」というべき1984年の名バラードを振り返る。

オフブロードウェイでの上演期間を(2020年1月14日まで)14週間延長したミュージカル『Rock of Ages』。これによって、ニューヨーク市内にいるハーレーダビッドソンのTシャツを着たヘアメタルファンが、落ち着いてテキーラショットを引っ掛けられる時間がしばし延長されたということだ。同市の劇場街にあるニュー・ワールド・ステージズでは、2009年4月に初上演された『Rock of Ages』の上演10周年を祝っている。当初6年の上演予定で、ミュージシャル史上最長上演期間のトップ30に入る作品と言われていた。

舞台は1987年のロサンゼルス。怪しげなサンセット・ストリップのとあるバーで、ロックスターを夢見る給仕助手の青年が、中西部出身の女優のたまごと恋に落ちる。劇中で歌われるのは80年代中期以降のお馴染みのヒット曲だ。例を挙げると、ジャーニーの「ドント・ストップ・ビリーヴィン」、ポイズンの「Every Rose Has Its Thorn」、ホワイトスネイクの「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」などで、観客と舞台の垣根がなくなりインタラクトしている。



なかでも突出しているのが、ナイト・レンジャーの「シスター・クリスチャン」だ。このパワーバラードは、1984年のシングル・リリース以来、ヘアメタル最強の名曲として確固たる地位を確立してきた。ドラマー兼ボーカリストのケリー・ケイギーが作ったこの曲は、オレゴン州ユージーンに住んでいた当時10代の妹クリスティーを訪ねたときに妹の成長の早さに驚いた様子を歌っている。ナイト・レンジャーのメンバーたちはケイギーが「クリスティ」の代わりに「クリスチャン」と歌っているのを耳にして、それがタイトルに反映された。アンセムのようなコーラス部分の歌詞「You’re motorin」の意味が取り沙汰されたが、バンドは「車で町を走り回ることだ」と譲らなかった。

Translated by Miki Nakayama

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE