音楽界のアウトサイダー・ヒーロー、ダニエル・ジョンストンが逝去 享年58歳

フォークアーティストのダニエル・ジョンストンが9月11日に逝去した。(J Mcconnico/Sony Classic/Kobal/Shutterstock)

カート・コバーンが「最高のソングライターの一人」と賞賛し、トム・ウェイツをはじめ多くのアーティストたちから愛されていた、アウトサイダー・フォークアーティストのダニエル・ジョンストン。米現地時間9月11日、腎機能不全で病院に搬送されたのち死亡した。享年58歳だった。

アウトサイダー・フォークアーティストのダニエル・ジョンストン。純真に愛を求める楽曲でカート・コバーン、マット・グレイニング、トム・ウェイツなどを魅了したジョンストンが、米現地時間9月11日(水)に他界したと、家族が文書で公表した。死因は自然死。享年58だった。

「ジョンストン家は弟ダニエル・ジョンストンの死を深い悲しみを持って発表します。今朝、テキサス州ヒューストン郊外の自宅で彼は息を引き取りました。死因は自然死です」と、家族の声明に記されていた。

そしてこの声明は、「ダニエルはシンガーであり、ソングライターであり、アーティストであり、みんなの友人でした。成人後のほとんどの人生を精神的な問題との葛藤に費やしたとは言え、ダニエルは多数のアートと楽曲を生み出す過程で自ら精神疾患を克服しました。そして、『太陽は僕に降り注ぐ』や『最後に真実の愛が君を見つけてくれる』などのメッセージが、多くのファン、アーティスト、ソングライターをインスパイアしました」と続いた。

長年に渡り、ジョンストンは肉体的および精神的な問題と戦ってきた。総合失調症および双極性障害と診断されたが、肉体面では転倒をきっかけに体調を崩して入院することとなった。また、彼は治療方法が変わるたびに対処せざるを得なかった。

「彼の健康状態を保つのは至難の技であり、体調が良くないときの彼は別人のようだった」と、ジョンストンの兄ディックが水曜日に行われたある取材で語った。ディックによると、ジョンストンが腎機能不全で病院に搬送されたのは先週で、火曜日に自宅に戻された。「そのときの彼は頭もはっきりしていて機嫌も良かった。(足首の)浮腫も治まって回復しているようだったし、彼も自宅に戻れて喜んでいた」とディック。

火曜日の午後8時半ころにケアテイカーがジョンストンの体調を確認しにやってきたが、ジョンストンは会おうとしなかった。翌朝、息を引き取った彼が自室で発見されたとディックが言った。検視解剖を行う予定はない。

Translated by Miki Nakayama

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