ミック・ジャガー、気候変動に関してトランプ政権を批判

Arthur Mola/Invision/AP/Shutterstock

ベネチア映画祭に出席したミック・ジャガーは、トランプ政権の気候変動に対する立場を批判。「合衆国は環境管理面で世界のリーダーであるべきだが、現政府の決断はそれに逆行している」と、発言した。

現地時間9月7日にベネチア映画祭に登場したミック・ジャガーは、気候変動へのトランプ政権の立場を非難し、自国の国民の分断を助長しているとしてドナルド・トランプとボリス・ジョンソン英首相を批判した。この日、同映画祭では、美術商役で出演している『The Burnt Orange Heresy(原題)』のプレミア上映にジャガー本人が出席したのだった。

同映画祭の会場周辺で気候変動のデモを行っている活動家グループと、レッドカーペットの上にスプレーされた「子供の声を聞け」と「レッドカーペットをグリーンに」の文章を見たあとで、ジャガーがこの発言をしたと、フランス通信社(AFP)が報じた。

「現在、世界はとても困難な状況に陥っているし、特に合衆国はひどい状態だ。以前導入された環境保護規制はまだ始まったばかりだったのに、現政権がそれと逆行する立場を取ったために、すべてが台無しになった。合衆国は環境保護で世界のリーダーであるべきだが、現政府の決断はそれに逆行している」と、ジャガーはトランプ政権に対して辛辣な言葉を発した。

そして、「抗議デモを行うほどに環境問題を真剣に捉えている人がいて非常に嬉しい。自分も彼らと同じ考えだ。彼らがデモを行っていて嬉しいね。だって彼らこそがこれからこの地球を継承するのだから」と続けた。

同作品でジャガーと共演したドナルド・サザーランドもジャガーと共に、トランプ、ジョンソン、アルゼンチンのジャイール・ボルソナーロといった、国民の団結ではなく分断を推進する一国のリーダーたちを糾弾した。「先週の私の祖国も含めて、本当に多くの国々でそうなんだが、特に合衆国は根本的に様変わりしつつある。彼らのやり方というよりも、国内の分断、粗暴さ、嘘偽りが国民を牽引していることが問題なんだ」とジャガー。

すると、ミックの発言を受けたサザーランドが、「ミックの言う通りだ。(合衆国での)オバマ政権下で行われた環境保護規制はまだ十分ではなかったが、今となってはそれすら破壊された。ブラジルでも同じことが起こったし、(ブレグジットを推進中の)イギリスでも同じことが起きるだろう。今85歳で、子供も孫もいる世代の自分たちが、ブラジルやロンドンやワシントンのあの連中を追い出す投票を行わなかったら、子供や孫に何も残してやれない。あの連中は世界を壊している。我々はこれまで世界の破壊に貢献してしまったが、あの連中は現在進行形で破滅を確実なものにしているんだよ」と付け加えた。

ジョゼッペ・カポトンディ監督の新作『The Burnt Orange Heresy』は、2001年の『エゴイスト』(ジョージ・ヒッケンルーパー監督作品)以来、久々にジャガーが重要な役割を担う映画だ。劇中のジャガーの役どころは美術収集家兼ギャラリーオーナーだが、ジャガー自身は美術品の収集はしないと明かした。

「自分にはコレクター気質はないね。なんでも捨てちゃう方だ。物を買ってもすぐに失くしてしまう。コレクターとしては見込みゼロで、それと正反対の気質だよ」とジャガーが語ったと、ハリウッド・リポーター誌が報じている。

Translated by Miki Nakayama

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