革新的レーベルの歴史に迫る『ブルーノート・レコード ジャズを超えて』7つの見どころ

映画『ブルーノート・レコード ジャズを超えて』に出演しているロバート・グラスパー(©️MIRA FILM)

創立80周年を迎えたブルーノートの歴史を描くドキュメンタリー映画『ブルーノート・レコード ジャズを超えて』が9月6日より日本公開スタート。マイルス・デイヴィスからノラ・ジョーンズまで輩出してきた、ジャズの世界における最重要レーベルの歴史、そして今なお失われていない求心力の秘密に迫る。

ブルーノート・レコードの新ドキュメンタリー『ブルーノート・レコード ジャズを超えて』には、60年代から活躍するハービー・ハンコックやウェイン・ショーターなどの巨人たちから、ロバート・グラスパーやアンブローズ・アキンムシーレをはじめとする新進気鋭のアーティストまで、ジャズ界における古今東西のスターたちが何人も登場する。しかし本作の核心を最も簡潔に示している場面を挙げるとすれば、ア・トライブ・コールド・クエストのアリ・シャヒード・ムハマドが、サンプリングをベースとした自身の作風におけるブルーノートの影響について語るシーンだろう。「(インプロビゼーションというのは)自分という人間の全てを表現する術を模索することと同意義だ」




本作のオリジナル・サウンドトラックもユニバーサルミュージックより発売中。

ソフィー・フーバーが監督を務めた同作には、敬虔で畏敬の念すら感じさせるこういったコメントが少なからず登場する。ブルーノートの現社長ドン・ウォズは、ウェイン・ショーターが1964年にブルーノートに残したクラシック『スピーク・ノー・イーヴル』を聴くことは、自分にとって瞑想のようなものだと語っている。本作の魅力のひとつは、出演者たちが口にするその偉大さを裏付ける歴史的証拠が多数登場する点だ。1939年の設立から現在に至るまで、ブルーノート・オールスターズというべき世代を超えた才能たちのレコーディング映像が時系列に沿って登場する『〜ジャズを超えて』は、ブルーノートを他のレーベルと隔てているもの、そしてミュージシャンやファンがその作品群を聖なるものであるかのように崇める理由を明らかにしてみせる。

6月14日にニューヨーク、28日にロサンゼルスで行われるプレミア、全米の劇場での一般公開、そして(本国で)今年後半に予定されているDVDのリリースを記念し、本作におけるポイント7つを以下で紹介する(編注:USのオリジナル記事は2019年6月12日公開)。

Translated by Masaaki Yoshida

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