アユニ・DがPEDROで手に入れた「オルタナティヴ」な価値観

PEDROとして成し遂げたいこととは?

─PEDROとして何か成し遂げたいとか目標はありますか?

アユニ:いつかは、アルバム全曲自分で作曲できたらいいなと思っています。あと、日比谷野外音楽堂でPEDROのライブをしたい。GO!GO!7188とか、NUMBER GIRLとか、日比谷野外音楽堂ってバンドにとって立つべきというか、特別な場所だと思うんです。BiSHで初めて野音でやったときは、私が本当にグループに入りたてで無知な状態で。あまり思い入れがなかったというか、何も分からない状態だったので。今の思い入れがある状況で立ってみたいです。

─先ほど、ヘイトを歌詞にしていたという話がありましたけど、アユニさんは音楽と出会う前、何に対してそこまで荒ぶっていたと思いますか?

アユニ:誰かがむかつくというよりは、自分自身にむかついていたんです。すごくピンポイントな部分で言うと、学校で先生に当てられて式の答えだけ答えただけでも顔が真っ赤になって汗だくになっちゃったり。人に話しかけられても答えられないとか、そういう自分にむかついていた感じですね。家ではなんでもできていたし、わがままだったりして。仲良い人にはそれがすごくできたのに、その世界から少し離れると、何もできない自分が嫌だった。だから、変わりたいという気持ちは一生あるのかもしれないですね。

─アユニさんなりの哲学やメッセージを人に届けるという意味で、歪んだギターやベースをかき鳴らすのが1番合っているのかもしれないですね。

アユニ:ガレージ・ロックと言われるジャンルの音楽が自分は好みなんです。1つの部屋とか車庫とかで、綺麗すぎない音と言うんですかね。たまにちょっとズレていたり、ベースも埋もれすぎず、ギターもドラムもうるさいような音が好き。そういう音楽にしたくてこのアルバムも作りました。オルタナティヴ・ロックって言われる人たちって、自分たちではオルタナティヴと思っていないけど、世間からオルタナティヴというジャンルにされるじゃないですか? 好きなバンドを調べるとジャンルがオルタナティヴ・ロックって出てくるので、そういう音楽が好きなのかもしれないです。

─アユニさんの媚びない部分というのは、今日の言葉からも姿勢からもすごく見えてきたんですけど、例えばめちゃくちゃアイスクリームが大好きだとか、ディズニーランドめっちゃ行くとか、そういう部分ってあるんですか?

アユニ:私…… めっちゃ部屋が白いんですよ(笑)。部屋が白くて、ベッドがフリフリ(笑)。えーそれくらいですかね。


Photo by OGATA

─あははは。BiSHとPEDROを両立させて活動していますけど、自分の中でそのへんは上手く棲み分けできているんですか?

アユニ:BiSHをやっているときも別に無理はしていないので姿勢は変わらないんですけど、BiSHにはメンバーが6人いるので、性格の役割みたいなのがあるんです。チッチだったらリーダーシップを持っている性格なのでメンバーをまとめてくれるし、発言とかもいっぱいしてくれる。逆に、PEDROは私が中心なので、自分の欲求とかやりたいこと、衝動に駆られたりしたことを全部やっています。そこは自然と分けてできているんじゃないかな。

─PEDROでは、アユニさん自身を出し切れているんですね。

アユニ:そうですね。今、人生が楽しいです。



<INFORMATION>

『THUMB SUCKER』
PEDRO
EMI Records
発売中

初回限定盤


映像付通常盤


通常盤


オフィシャルHP
https://www.pedro.tokyo/

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