スティング、アマゾン森林火災に関する政府の対応に激怒「全人類が報いを受けることになる」

モナコのスポルティング・サマー・フェスティバルで演奏するスティングSYSPEO/SIPA/Shutterstock

ブラジル政府の反応を受け、熱帯雨林の保護活動に力を入れている英ミュージシャンのスティングは「グローバルレベルの犯罪的怠慢」と非難のコメントを発表した。

凄まじい勢いでアマゾンの熱帯雨林を襲っている森林火災をめぐるブラジル政府の反応——というよりは無反応——を受け、スティングが声明文でブラジル政府を非難した。

英現地時間8月27日、自身のFacebookアカウントへの投稿でスティングは、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領を強く非難した。地球温暖化を信じようとしないボルソナロ大統領は、アマゾニア(アマゾン川流域のブラジル・ベネズエラ・コロンビア・エクアドル・ペルー・ボリビアにまたがる地域の総称)の先住民をあからさまに蔑視するとともに、アマゾニアの森林伐採と商業利用を推進し、いまも続いている森林火災に対する世界中の人々の反応を軽んじたのだ。米ニューヨーク・タイムズ誌が報じたところによると、ボルソナロ大統領はG7サミット(主要7か国首脳会議)の際にエマニュエル・マクロン仏大統領が森林火災対策として申し出た2200万ドル(およそ21億円)の資金支援を拒否したそうだ(その後、ボルソナロ大統領は「関係者への侮辱と、ブラジルはアマゾンの支配者ではない、というあてこすりに対してマクロンが謝罪するなら、提案を受け入れてもいい」とわずかながら態度を改めた)。

1987年設立の慈善団体Rainforest Foundation Fundとともに、長年にわたって熱帯雨林保護活動に力を注いできたスティングは、ブラジルや南アメリカの先住民コミュニティに寄り添いながら、こうした人々の故郷を守ってきた。Facebookに投稿した声明文でスティングはこのように述べている。「国家主義的な政策を引き合いに出し、地球温暖化とこれに付随するものをでっちあげと主張する大衆主義者のリーダーたちは、ただ突っ立って何もしない人よりも罪深い。これは、グローバルレベルの犯罪的怠慢だ」。

Translated by Shoko Natori

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