サマソニ現地レポ B’zが「ホームグラウンド」の20周年を圧巻のライブで飾る

B'z(©VERMILLION)



「兵、走る」から浮かび上がるストーリー

2001年にシングルで発表された「ultra soul」は、当時当然のようにチャートの1位を獲得したものの、B’zのキャリアの中で見れば特別ビッグヒットを記録したというわけでもなかった。しかし、00年代から2010年代へと移り、「ライブ/フェスの時代」を迎える中で、あの「ウルトラソウル!ハイ!」があらためてフィーチャーされることで、B’zの新たな代名詞となっていったのである。メガヒット時代の申し子であったB’zが、ライブ/フェスの時代をサヴァイブする上での最重要曲、それが「ultra soul」だったのだ。

中盤でミドルバラードの「マジェスティック」が演奏されると、スタンドから自然とスマホのライトが照らされ、幻想的な美しい光景がスタジアムに広がる。さらに、前半はアコースティックにアレンジされた「裸足の女神」が後半からバンド・サウンドに変わると、大合唱が巻き起こる。1993年のリリースと、この日披露された曲の中では最も古い曲だが、やはり愛されている曲だ。キーボーディストのサム・ポマンティによるシンセベースソロから、ドラマ主題歌として若い世代の中でも知名度の高い「イチブトゼンブ」、そして、「ハードなギターサウンドと打ち込みのダンスビート」の最新型である「Still Alive」でこの日2度目のピークを迎える。


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ホワイト・スネイク、オジー・オズボーン、スラッシュらと共演してきた歴戦のドラマーであるブライアン・ティッシーが、スティックを放り投げながらの曲芸のようなドラムソロで沸かせると、衣装替えをした稲葉が「デウス」を歌い上げ、「兵、走る」では歌詞に出てくる〈花吹雪〉が大量に舞うなど、後半も華やかなステージを展開。フェスでB’zを観るといつも思うのだが、彼らはとにかくステージの使い方が上手い。昔のように一心不乱に駆け回ることはなくなったが、ライブ中常に端から端へと動きながら歌い続ける稲葉のすごさを改めて思い知る。

バンド、スタッフ、オーディエンスの繋がりを歌ったB’zのライブにおける最重要曲「RUN」はフェスではなかなか演奏されないが、「兵、走る」という曲が30周年を過ぎたこのタイミングで作られ、フェスで演奏されることからはストーリーが浮かび上がる。つまり、CDとライブでオーディエンスとの濃密な関係性を作り上げた「RUN」の時代を経て、「ultra soul」で獲得したより幅広いリスナーも連れて、その全員でこの先も走り続けることをもう一度宣言するのが「兵、走る」なのだ。〈ゴールはここじゃない まだ終わりじゃない 止むことのない歓声/今日を生きるため 明日を迎えるため 誇り高きスピードでTRY〉という歌詞からも、「RUN」とのシンクロが感じられる。

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