サマソニ現地取材 タッシュ・サルタナという「天才」を作り上げた音楽的ルーツ

タッシュ・サルタナ(Photo by Yosuke Torii)

サマーソニックの東京2日目、SONIC STAGEで披露された初来日ライブが絶賛されたタッシュ・サルタナ。オーストラリアが生んだ1995年生まれの新星に迫るべく、ライブ終了後の彼女にインタビューを行なった。

ー大阪公演は中止となりましたが、今日の東京公演はどうでしたか?

タッシュ:日本のオーディエンスはシャイだと聞いてたけど、そうでもなかった。めちゃくちゃクレイジーってわけじゃないけど、きっと日本人ならではのクレイジーさで楽しんでくれたんじゃないかな。大阪公演のキャンセルは残念だったけど、そういう不可抗力は仕方ないし、私の体調が悪くて仕方なくキャンセルしたことだってある。それだけは避けたいと気をつけていること。

ータッシュにとってベスト・ライブとは?

タッシュ:そうね、ステージ上で私が落ち着いて演奏できた時のライブ。ひとつひとつの演奏にしっかり集中して着実にやって、全体のことはあれこれ考えていない状態ね。考えすぎると良くないようなの。演奏がすごく良くできて私がハッピーになると、それが観ているオーディエンスにも伝わる。今日のライブでもみんなが英語を分かるわけじゃないけど、すごく理解してくれたし伝わったと思う。

ーひとりでストリートに立ちバスキングしていた以前には、ロック・バンドも組んでいたそうですね。

タッシュ:音楽好きのティーンエイジャーなら当然って感じで、バンドをやっていた。とにかく音楽をやりたかったの。バンドでも、ひとりになってからも、ありとあらゆる場所で演奏してきた。クラブやバー、カフェや公園、街角、友人の誕生日会など。本当に毎日演奏していたわ。

ー3歳から始めたギターはもちろん、ベースやピアノ、トランペット、サックス、パン・フルートやパーカッションなど10種類以上の楽器を弾きこなせるそうですが、知らない楽器でも触ればなんとなく弾ける、という類い稀ない才能の持ち主なんでしょうか。

タッシュ:初めて見た楽器でも、なんとなく音の出しかたがわかるのは確かね。そこは持って生まれた自然な感覚かもしれない。とはいえ上手く演奏するためには、ものすごく練習している。練習にはすごく時間を費やしている。




Photo by Yosuke Torii

ーギタリストとして最も尊敬しているのは?

タッシュ:ジミ・ヘンドリックス、フリートウッド・マックのリンジー・バッキンガム、サンタナの3人ね。もう少し近い世代ではジョン・バトラーも素晴らしいと思う。

ージミ・ヘンドリックスとの比較はよくされているようだけど、自分では似ていると思う点は?

タッシュ:スタイル的には全然違っていると思う。でも似ているのは、ギターを弾いている時のフィーリングじゃないかな。

ー他のギタリストとは異なる、タッシュのオリジナリティとは?

タッシュ:たぶん、いろんなことを少しずつやってることかな。いろんなスタイルを。あとはギターをすごく高い位置で抱えるとか。でも、それは他にもやってるギタリストがけっこういるから、どうだろう、よく分からないな。




Photo by Yosuke Torii

ーさっき挙げてくれたギタリストたちが世代的に離れているのは、父親から影響を受けてきたから?

タッシュ:そう、父親が聴いていた音楽からは大いに影響を受けてきた。

ー子どもの頃って親の趣味や嗜好を否定したがるものだけど。

タッシュ:親の方が、ありのままの私を受け入れてくれたからだと思う。だから全然そういう反抗心は覚えなかった。生まれた時から、私はかなり変わり者だったし、どちらかといえば姉の方がもっとワイルドだったんだけど(笑)。女の子だからどうこうは言われたこともなかったし、家にカノジョを連れてきた時も”あ、そうなの”って感じで。ただもっと若い頃は、もっと無茶苦茶やっていた。飲んだり、酔いつぶれたり、あらゆる醜態を親の前でさらしてきたと思うな。

ーシンガーとしてインスパイアを受けた人は?

タッシュ:マット・コービー(Matt Corby)。オーストラリア人のシンガーで、ついこの間一緒にコラボしたばかり。すごく私たち、顔が似ているの。ホントそっくりよ(笑)。

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