「天国への階段」裁判、米司法省がレッド・ツェッペリンを支持

「天国への階段」の裁判でトランプ政権が仲裁に入り、著作権紛争でレッド・ツェッペリンを支持する。Crollalanza/Shutterstock

「天国への階段」をめぐる法廷闘争で、トランプ政権は判事が1972年より前の著作権法を正しく適用したと判断し、レッド・ツェッペリンを支持した。

「天国への階段」をめぐる法廷闘争にトランプ政権が仲裁に入り、スピリットのギタリストだった故ランディ・ウルフ(芸名ランディ・カリフォルニア)の遺産管理人との著作権紛争で、司法省がレッド・ツェッペリンを支持した。

レッド・ツェッペリンを相手取った上訴が現在も進行中だが、1972年より前の楽曲の著作権はシートミュージックのみ保護されるとした前回の裁判の判決を支持するアミカス意見書(訳註:事件の当事者ではない第三者が裁判所に提出する意見陳述書のこと)を司法省が提出した。NBCニュースによると、アメリカ連邦議会が録音物の著作権保護のために、1972年に著作権法を改正している。

レッド・ツェッペリンが「天国への階段」で著作権を侵害したと言われているスピリットの「Taurus(原題)」が作曲されたのは1967年のため、この曲の著作権に関しては改正以前の連邦法が適用される。

さらに司法省は、2曲に類似点はあるにしても、紛争の焦点となっている両曲の楽節がほぼ一致していないと以前の連邦法では著作権の侵害を認められず、両曲の楽節がほぼ一致していない事実を鑑みると、1972年より前の著作権法を適用した前回の裁判での判決通りにレッド・ツェッペリンの勝訴が妥当だ、と意見書に加えた。

「問題となっている『天国への階段』と『Taurus』の楽節には実質的な一致は認められないため、重大な著作権侵害があるとは言えない。控えめに述べても、音符もリズムも全く同じではなく、部分的な一致も見られない」と、司法省はアミカス意見書に記している。

司法省がこのような立場を表明したにもかかわらず、アメリカ合衆国第9巡回区控訴裁判所の判事3人による陪審団が金曜日に再審を命じたため、5年に及ぶ法廷闘争がさらに継続されることになった。前回の裁判では判事が陪審員に対して行う評決時のルール説明でミスを犯したこと、さらにロバート・プラントの証言中にウルフの遺産管理人の弁護団が「Taurus」を聞かせようとしたが、それを判事が拒否した事実を上告裁判所が発見したと、ヴァラエティ誌が報じた。

「陪審員に選択と示談に関する説明を行わなかったため、陪審員は(ウルフの遺産管理人が)訴えている付帯的な類似性を判断することができなかった。事実、陪審員はこの付帯的な類似性を指摘していた」と、巡回区のリチャード・A・ペズ判事は金曜日に出した上訴決定文に記している。この裁判は9月に上告審に持ち込まれる予定だ。

Translated by Miki Nakayama

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