大槻ケンヂ率いる特撮、2年1カ月分のエナジーを大放出したリキッドルーム公演

ライブは物凄い轟音でスタート。観客もテンション高くそれを受け止める。「今日はもう、出来上がってるな! 四の五の喋る必要もないな! ただ、言うならば、本当に久しぶりー!!」との大槻の第一声に大歓声が沸き起こった。

セットリストは『スリーストーリーズ』からの新曲「夏のデビル」、「メグマレ」、「ピルグリム(放浪者)」を既存曲の間にバランス良く配置したもの。この3曲は、CDの会場販売の一足先の16日0時から配信開始となっており、既に聴き込んで会場に足を運んだファンも多かったはず。その証拠に、それぞれの曲へのレスポンスはとても大きなものだった。特に特撮流のサンバ・アレンジによるドラマティックなサマーチューン「夏のデビル」は、まさにこの時期にピッタリの曲で、お客さんも大盛り上がり。胸元で手を小刻みに振りながらどことなく照れたように歌う大槻の、なんとも言えない可愛らしいおじさんっぷりも最高であった。それにしても、改めて感じたのは、轟音の中でも個性が際立つ大槻の歌声。衰えることを知らない魅力的な響きがこの日も堪能できた。



MCでは、2年1カ月ぶりのライブということでその間の世の中の変化に触れ、「一番変わったのはタピオカだよな! 高円寺を歩いてると行列ができてるんだよ」との妙に実感が籠ったひと言に観客は爆笑。また、「言いたかないけど、2年1カ月の間に成人病の薬が一つ増えましたよ! そして飲んでる薬が全部ジェネリックになったよ! どうでもいいけど!」と、個人的な変化をファンに向けて律儀にご報告。「みんなも2年1カ月色々あったと思うけど、今夜はその思いをすべて特撮にぶつけてくれ!」との呼びかけに観客も応え、会場は熱狂的な空間と化した。

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