サマソニ現地レポ The 1975が大観衆に見せつけた、世界最高峰のロックバンド像

The 1975のマシュー・ヒーリー(Photo by Kazushi Toyota)

日が暮れ始めた18時、マリンステージではThe 1975の出番が近づいてきた。台風10号の影響で屋外は風が強いものの、東京会場の天気は上々。スタジアムは超満員で、イギリスが世界に誇るバンドの登場を待ち受けている。

昨年11月にリリースした3rdアルバム『A Brief Inquiry into Online Relationships』がデビュー以来3作品連続となる全英1位を獲得し、来たる2020年には3rdと合わせて二部作となる新作『Notes on a Conditional Form』のリリースを予定しているThe 1975。今まさに乗りに乗っている彼らのライブは、3rdのオープニング曲「The 1975」をSEとしてスタート。そのリリックがスクリーンに映し出されるたび、オーディエンスから大きな歓声が上がる。バンドメンバーが登場して「Give Yourself a Try」を演奏し始めると、会場は早くも大きくうねり始めた。


Photo by Kazushi Toyota


Photo by Kazushi Toyota


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やはり、観衆の視線を一身に浴びているのは、プレイステーションのロゴ入りキャップと上着を着て登場したマシュー・ヒーリー。少しでも動いて声を発するたびに会場中の女性から黄色い声が上がるほど、彼の存在には特別なカリスマ性が宿っている。続く「TOOTIMETOOTIMETOOTIME」からは、サポート奏者とダンサーがそれぞれ2人ずつ登場。トロピカルハウス譲りの陽性ビートに合わせて、ダンサーとユニゾンでダンスを踊り、オートチューンの効いたマイクを通して「Thank you, thank you」と繰り返すマシューの姿に、オーディエンスはもうメロメロだ。

キャッチーなダンス・チューンで会場を温めた後、マシューはツノ付きのニットキャップとリュックを背負ってステージに登場。「Sincerity Is Scary」のミュージックビデオと同じ姿には、「カワイイ~」という声も上がっていた。ホーンと鍵盤のジャジーな生音が印象的なこのミドル・チューンは、The 1975にとって新境地と言える一曲。この曲を皮切りにして、80年代ポップ・ロック的なスケールで鳴らされる「It’s Not Living (If It’s Not With You)」、オートチューンを強くかけたヴォーカルが響き渡るアンビエント曲「I Like America & America Likes Me」と、音楽性の幅を見せつけるような楽曲が続いた。


Photo by Kazushi Toyota


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ゆったりとしたディスコビートでオーディエンスを踊らせた「Somebody Else」に続いて、「I Always Wanna Die (Sometimes)」ではマシューがアコースティックギターを持ってプレイ。ブリットポップ黄金期を思わせる鷹揚としたメロディに、観客みんなが手を振って答えていた。

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