クロダ:少し話は変わりますが、今ってコーラスのある音楽も増えていると思うんですけど。やっぱり潜在意識的に、祈りたいっていう感覚があるんですかね?
佐々木:祈りっていうのはめちゃくちゃあると思う。まあ、人によってはポップ・ミュージックのひとつのスタイルとしてやっているだけっていうのもいるとは思うんだけど。ただ、メンフィス行った時に教会に行かせてもらって。ゴスペルを見たら超ホットなんですよね。
クロダ:ホット?
佐々木:もう絶叫して祈るみたいな。それでもピッチが良くて歌上手いんですけど(笑)、そういうソウルフルなところがあるんですよね。逆に言うと、チャンスとかもヨーロッパではちょっと引かれているみたいですよ、歌詞が宗教的過ぎるって。あの「3」も三位一体の「3」だから、ちょっとこいついい子過ぎない? みたいな。日曜日真面目に教会行くことにケッって思っているヨーロッパの人も多いみたいだから、そういう人にはちょっと引かれているみたいですね。
クロダ:ああ、ただ、佐々木さんは本当に惚れてますよね?
佐々木:そうだね…… 本当に彼の凄いところはいっぱいある(笑)。まずヴォーカリストとして凄い。あの感じでラップしてもああはならないというか、あの人はめちゃくちゃ歌が上手いしゴスペルもできるし弾き語りもできちゃうから、音楽的なんですよね。そのレベルの高さに惚れているっていうのもあるし、あとリリース形態だったり、地元にどうやって還元するかっていうことを考えている器のデカさにもヒーロー的なものを見ちゃうというか。
クロダ:ヒーロー、なるほど。音楽っていうのは向こうではまだドリームとして機能しているとは思いますか?