日本のシティ・ポップは、なぜ世界中のリスナーを虜にしているのか?

80年代の東京(Photo by Ken Straiton/REX/Shutterstock)



ファンタジーと現実逃避のイメージ

「センスの良さ」はシティ・ポップの根幹をなす要素であり、スティーリー・ダンやドゥービー・ブラザーズの作品、あるいはアンブロージアの「Biggest Part of Me」を知っているリスナーなら、少なからず共感できるに違いない。いわゆるヨット・ロックに固有のゴージャスでハイファイなサウンド、そしてプール付きの庭という風景が喚起するノスタルジーは、シティ・ポップにも通じるところがある。

こういったファンタジーと現実逃避のイメージは、穏やかな海と遠くに見えるクールなスカイラインをバックにした人気のないプールを描いた『Pacific Breeze』のカバーにも現れている。デザインを手がけたのは、シティ・ポップのアルバムのアートワークを多数手がけた永井博だ。


永井博が手がけた『Pacific Breeze』のカバーイラスト

「馴染みのないはずなのにどこか懐かしさを感じる、リスナーをそういった場所へと誘うバーチャルトリップのような作品にしたかった」McNeillはそう話す。「アメリカの70年代のファンク、ソウル、ブギー、あるいは80年代のソフトポップやAORに慣れ親しんだリスナーなら、これらの楽曲に共通点を見出すはず。様々な要素を共有してはいますが、これらの曲には日本的な何かがはっきりと宿っています」

Translated by Masaaki Yoshida

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