テイラー・スウィフトが明かした、LGBTQ権利保護活動に参加したきっかけ

LGBTQコミュニティへの支援のいきさつを語った、テイラー・スウィフト( Evan Agostini/Invision/AP/Shutterstock)

テイラー・スウィフトは、「自分自身が所属していないコミュニティのために活動できることに最近まで気付かずにいた」と最新インタビューでLGBTQ権利保護活動に参加したきっかけや、カニエ夫妻とのいざこざにより深く傷付いた経験を明かした。

テイラー・スウィフトは、米ヴォーグ誌の最新インタビューでLGBTQの件において、自らの意見をはっきり主張できるようになった経緯を語った。さらには、『レピュテーション』時代の楽曲にもっと深い意味があったことも明かした。

スウィフトはシングル「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」と、そのきらびやかなミュージック・ビデオを通じてLGBTQコミュニティにダイレクトなメッセージを送っている。だが、スウィフトがそうするべきだ、と感じるようになったきっかけは友人のトドリック・ホール(ユーチューバー、歌手、俳優、ダンサーなどマルチな才能を発揮しているアメリカのエンターテイナー)だった。「2年くらい前だったかしら。トドリックと私は車に乗っていて、トドリックが私に質問したの。もし、あなたの息子がゲイだったらどうする? って。彼にそんな質問をさせたことがショックで……私がいままで自分の立場を十分明確に表明してこなかったことにはっとさせられたわ」とスウィフトは言った。「もし、私の息子がゲイだったら、彼はゲイとして生きる。質問の意味がわからなかった」。

スウィフトは、「ウェルカム・トゥ・ニューヨーク」の歌詞や「ミーン」のミュージック・ビデオがあるにもかかわらず、LGBTQ権利保護のサポーターとしての立場を「明確」にしてこなかったことに「衝撃を受けた」と述べ、昨今の政治情勢によって立場を表明するべきタイミングが訪れた、と言い足した。

「シスジェンダー(生まれ持った性別と心の性が一致している人)、ストレート、白人男性以外の人々の権利が剥奪されている、と言っていい状況よ」とスウィフトは述べた。「自分自身が所属していないコミュニティのために活動できることに最近まで気付かずにいた。失敗を恐れてフリーズしないように、わからないことに取り組むのは難しい。だって私がやり方を間違えば、大惨事なってしまうから。もし、私がミスを犯したら、世界中の谷間に響きわたってしまう。それはバナー広告をうっかりクリックしてしまうほど簡単で、私の人生、そしてアーティストとしてのキャリアにおいて避けて通れないものなの」。

テイラー・スウィフトは物議を醸しつづけてきた『レピュテーション』時代の楽曲の意図と、自らのプライバシーを追求した当時の判断についても語った。さらにスウィフトは、そのような状況が原因で、「フェイマス」をめぐるキム・カーダシアンとカニエ・ウェストとの不和につながったことを指摘した。同楽曲の歌詞は、スウィフトをネタにしているのだ。スウィフトは、「フェイマス」の歌詞について同意した、とカーダシアンが主張する電話の動画がリークされたことや、Instagramにヘビの絵文字が溢れかえったことについて「孤独な体験だった」と語り、メッセージのなかには暴力的な内容のものがあったことも明かした。

「人生を立て直さないといけない、と思った。だってあまりに制御不能な状態に陥っていたから」とスウィフトは説明した。「これを音楽にしよう、ってすぐに思ったわ。だって私にはそれしか生き残る術がないから。自分のメンタルヘルスを保ちながら、こんなに屈辱的な経験をするのがどんな気持ちかを人々に知ってもらうには、この方法しかなかった」。

スウィフトは、『レピュテーション』時代に自ら演じた役柄を「キャラクター」と「メタファー」として表現した。暗喩を意味するメタファーには、よりダークで強い響きがある。「『レピュテーション』を聴いた人の多くは、私が自ら家をぶち壊したと思ったでしょうね。でも、本当は自分を守るための地下シェルターを造っていたの」。

テイラー・スウィフトの7枚目のアルバム『ラヴァー』は8月23日に発売だ。リリースの週末には、MTVビデオ・ミュージック・ミュージック・アワードへの出演も予定している。


Translated by Shoko Natori

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