性犯罪で勾留中のジェフリー・エプスタイン被告、公判前に自殺

性的人身売買の疑いがもたれていた大富豪、ジェフリー・エプスタイン被告が現地時間10日朝、マンハッタンの独房で死亡しているのが発見された。(Photo by Uncredited/AP/Shutterstock)

現地時間10日、性的人身売買の罪に問われていた米国の大富豪、ジェフリー・エプスタイン被告が、起訴後勾留中の独房で首を吊って死亡した。

性的人身売買および共謀罪で連邦起訴されていた被告は、ニューヨーク州マンハッタンの独房で死んでいるのが発見された。首吊りによる自殺と見られる。

警察職員は、エプスタイン氏が土曜朝に独房で死んでいるのが発見されたと、ABCニュースに確認した。その後東海岸時間の6時30分ごろ、心停止状態でメトロポリタン矯正センターからニューヨーク・ダウンタウン病院に搬送され、そこで死亡が宣告された。エプスタイン被告は2週間前の7月23日にもマンハッタン矯正センターで自殺を図り、昏睡状態で負傷しているのが発見された。

エプスタイン被告は享年66歳。死の前日に公表された記録によると、数々の著名な実業家や政治家、科学者らがエプスタイン被告の事件に関与していたとみられ、さらなる性的暴行の詳細が浮かび上がった。エプスタイン被告は連邦起訴で無実を主張した後、保釈金無しでマンハッタンに勾留されていた。有罪の場合、懲役45年が求刑される予定だった。

「今日のニュースを知り、非常に残念でなりません。拘置所で死ぬなどということがあってはなりません」と、エプスタイン被告の弁護団は声明を発表(ニューヨーク・タイムズ紙より)。連邦検事局および連邦保安官局がエプスタイン被告の死亡の調査に乗り出すだろう、とも付け加えた。

連邦司法省の刑務所局も10日朝、「FBIが事件の調査を行っている」ことを確認した。

ウィリアム・バー司法長官も声明を発表。「ジェフリー・エプスタイン氏が今朝、連邦勾留中に自殺によって死亡したとの知らせを聞いて驚いています。エプスタイン氏の死では、解明すべき疑問が持ち上がっています。FBIの捜査に加え、私自身も監察長官と協議し、エプスタイン氏の死の状況について捜査を進めてまいります」

エプスタイン被告の被害者の一人ジェニファー・アローズ氏はエプスタイン被告の死後、NBCのサラ・フィッツパトリック氏にこう述べた。「ジェフリー・エプスタインが被害者と法廷で対面せずに済んだことに怒りを覚えています。我々はこの後一生、彼の行動で受けた傷を抱えて生きていかなくてはならないのに、彼は自ら犯した罪の重みや、これだけ大勢の人々に与えた傷やトラウマと向き合うことがないのですから。エプスタイン被告は亡くなりましたが、正義は果たされるべきです。当局には、共犯者や協力者の追及と起訴を進め、被害者への正義を果たしていただきたい」

Translated by Akiko Kato

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