ハードロックの栄枯盛衰を乗り越えた男が語りつくす、愛と憎しみの30年間

スキッド・ロウのヴォーカリストとして絶大な人気を誇ったセバスチャン・バック(Photo by Enzo Mazzeo)



バックがかつての仲間たちに伝えたいこと

―では、大局的に見て、オリジナル・メンバーによるスキッド・ロウの再結成に必要なものとは何でしょう? 彼らからどんな返事が聞きたいですか?

連中に気づいてほしいことは、俺には生涯のマネージャーがいるってこと。リック・セールズという名前のな。彼とは2006年から一緒にやっている。でも、連中はリックのような人間と交渉することを嫌うんだよ。連中がほしいのはマネージャーなんていなくて、週給700〜800ドルで働くシンガーさ。俺には一緒に仕事するチームがあるし、そいつらは俺が騙されることを許さない。そんなチームは19のときにはいなかったから(ヴォーカリストのギャラについてのバックのコメントにサイボが「ファクトチェックはヤツの能力に入ってないようだ。(中略)俺たち5人はバンドとしてステージに立つし、ギャラも等分する。この点で結束しているし、エゴなんて一切ない」とメールで返答した)。

―つまり、当時のあなたは法的に自分を守る術を知らなかったと思うのですか?

すべてが終わったあと、俺は完全に一人ぼっちだった。そこからやり直さないといけなかったのさ。そういう状況は二度とゴメンだよ。あれをもう一度できるほど若くはないから。

―スキッド・ロウの1枚目であなたが共作した唯一の曲が「メイキン・ア・メス」です。

忘れてほしくないのは、あの頃、俺は18か19だったってこと。それにバンドも星の数ほどいた。その中で成功したのはほんの一握り。例えば、「エイティーン・アンド・ライフ」のメロディをリライトしていたとき、俺は何もわかっていなかった。自分が書いているものがその後どんな意味を持つかなんて、知りもしなかった。つまり、そういうことがわかったのは人生経験を積んでからってこと。あの頃は無知だったのさ、マジで……ガキだったもん、俺。バンドメンバーは全員、俺より4つ以上年上だけど、俺自身は自分が何に首を突っ込んでいるかすら気づいていなかった。それは当時の俺の言動を見れば明らかだよ。

俺たちはビジネス面でケンカが絶えなかった。皮肉なことに、あの時点で、俺は自分のバンドのメンバーとはビジネスの話を絶対にしないと決めた。でも連中は俺のマネージャーとすら交渉しない。俺はリックを手放すつもりはないから、俺に話がある人はリックを通さないとダメなわけだ。ちゃんと交渉の場に現れてビジネスの話をするなら、俺たちはいつでも受け入れるよ。でも、連中は俺が嫌いなのさ。

Translated by Miki Nakayama

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