ハードロックの栄枯盛衰を乗り越えた男が語りつくす、愛と憎しみの30年間

スキッド・ロウのヴォーカリストとして絶大な人気を誇ったセバスチャン・バック(Photo by Enzo Mazzeo)



「デラックス・エディションにはまったく関与していない」

―なにはともあれ、30周年おめでとうございます。アルバム『スキッド・ロウ』のデラックス・エディションが配信開始されましたね。

ああ、どうしてそんなことになったのか、まったくわからないがね。俺、全然関係していないんだよ。サンプル盤すら送られてきてない。でも1989年のライブが収録されているってことは知っている。自分が何て言うか想像するだけで縮み上がるよ。だってあの頃の俺は全然息切れせずに連続で歌えていたから。

―確か、第一声は「マザーファッカーたち」です。

マジか? 将来、勇気が出たらチェックしてみるわ。

―収録されているライブは「コールド・ジン」で終わります。あなたはエース・フレーリーの大ファンなので、あのアルバムはあなたのアイデアかと思っていました。

この間リリースされたあのアルバムのデジタル盤とは、本当に何一つ、一切関係していない。俺が『スキッド・ロウ』発売30周年記念盤を作るなら、アナログ盤にするよ。180グラムのリマスター盤。オリジナルの音源を使ってね。それにいろんなバージョンのホームビデオを付録につけて完璧なものにする。ライブ・ビデオ『Oh Say Can You Scream(原題)』を作ったときのビデオが全部手元にあるんだ。これはプラチナを獲得したホームビデオ作品だったんだぜ。俺、シングルも、音源テープも全部持っている。ボン・ジョヴィのツアーで録音したライブ音源もあるし、エアロスミスのツアーのときのもね。自宅で箱に入ってホコリまみれで冬眠中だ。

―保管中の音源を今後リリースするつもりはありますか?

そうだな、そうなると他の連中と話し合う必要が出てくる。自分でも手放さない理由がよくわからないんだよ。


1989年のスキッド・ロウ。左から、スコット・ヒル、ロブ・アフューソ、セバスチャン・バック、デイヴ・スネーク・セイボ、レイチェル・ボラン

―メンバー間で話し合いが持たれなかったことに驚いています。最近、70〜80年代のバンドによるデラックス版と称したフィジカル・リイシューが頻発しているじゃないですか。

困ったもんだよね。ほら、俺はラッシュの大ファンだろ。いわゆるデラックス版ってのを一つ購入したら、完全にニール・パートがメインで、当時の彼のインタビューだけだった。それにツアーバスの左側の輪止めが付録されていた。将来的に、俺たちもファンのためにそんなことができればいいと思うけど。

たださ、スキッド・ロウの1枚目のレコードのマスターテープが見当たらないんだよ。火事のバタバタでどこかに紛れてしまったのかもしれないけど、アルバム『40 Seasons – Best of Skid Row(原題)』を作ったときに、プロデューサーのマイケル・ワグナーがスキッド・ロウの最初のアルバムのテープが見つからないって俺に教えてくれた。リマスターとリミックスをしたい曲が数曲あったんだって。みんなで探したよ。でも誰も行方を知らなくてね。これはミステリーだよ。

Translated by Miki Nakayama

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